2021年1月30日

静岡大・浜松医大統合延期

静岡大学と浜松医科大学を統合し、さらにそれぞれの拠点である静岡市と浜松市で分割再編するという「静岡大・浜松医大統合計画」が、主に静岡大側の反対で延期されたという記事。 静岡大学は、名前の通り静岡市に殆どの施設・キャンパスがありますが、工学部と情報学部の専門課程と研究所は浜松市にあり、これら工学系部分と浜松医科大学を統合して、理系の「新静岡大」とし、静岡市側は文系学部を中心に統合するというのが元々の計画(確か)。

今でも、工学部と多分最近出来た情報学部の学生は、最初の2年間は静岡のキャンパスに通って、3年以降は浜松の専門学部に来ていると思いますが、統合されたら最初から浜松になるんでしょうね。学生数的には、静岡側の方が多いだろうけど、少子化もあって学生数は年々減少していて、さらに文系学部よりは理系学部の方はまだ人気はあるということで、静岡市側としては取り残される危機感があるんでしょうね。それでも、多分理系とも言える理学部とか農学部は静岡市側に残るんだろうから、それらはまだまだ将来性は大きいでしょう。それに静岡大学と言えばその教育学部からの県内の学校に対しての教員育成も大きな部分を占めているので、「安泰」とは言わないけれど、やりようによっては十分生き残りも可能だと思うのだけれど。

勝手な個人的憶測ですが、自分くらいの世代だと浜松市は「大学が少ない」という劣等感みたいな物があったんですよね。静岡大の工学部キャンパスは、高柳健次郎氏が世界で初めてブラウン管テレビの送受信に成功した歴史的な場所で、それだけが誇り。だから、昔から静岡大の工学部を教育課程も含めて浜松に誘致すると言う話は、生まれては気得手を繰り返していた記憶があります。そんな中で、自分達が大学受験する少し前位に、浜松医科大学が開設されて、さらに静岡文化芸術大学を誘致して、それでも公立の大学はその3校だけ。後は、浜松学院大学、聖隷クリストファー大学、常葉大学と、以前は短大や専門学校だったものが改編された学校。常葉大学は、昔は浜松大学だったけれど、自分が浜松を離れてから出来た新しい学校の一つですし。家の高校なんか特に顕著だったけれど、高校卒業したら外に出たいという気風が強かった気がします。地元に残るなら静大、それ以外なら関東や名古屋の大学を目指すというのが、進学者で一番多いパターンじゃ無かっただろうか。

大学の統廃合も賑やかですが、浜松市の場合は区再編の話も長い間くすぶっていて、やっと最近2年後だったかな、区割り案も含めて計画を決める事が決まったけれど、色々と変化は続きそう。前向きに考えれば、停滞して何も進まない、何も変わらない、只朽ちていくだけというような場所よりは、良くも悪くも活発な意見交換が生まれて、何か変えようという動きや、実際に変革が生まれて新しい可能性が生まれていくことの方が、結果的に満足行くゴールにならなくてもまだましだと思う。浜松市は、元々は工業の町だったわけで、そう言う意味では理系の教育機関がもっとあっても良かったと思うのですが、そう言う意味では一寸歪というか。まぁ、今でこそ大企業もそれなりにある土地だけれど、昔は個人商店・個人技術者が何十何百と乱立していましたからね。そう言う状況だと、職人技みたいな物が優先されて、余り技術や知識の共有・研究みたいな方向には進まなかったんだろうなぁ。地元以外でも、特に地方では大学のサバイバルが熾烈になってきているけれど、地元の静岡大と浜松医大は、その荒波を耐えて生き残れるだろうか。

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