2020年11月18日

地球の歩き方

昔は、兎に角出張なりプライベートの旅行なり、海外に行くことが決まったから、まずは最新版のその地域用の「地球の歩き方」を書店に探しに行くのが、1つの「習わし」だったなぁ。その「地球の歩き方」を発行してきた、ダイヤモンド・ビッグ社が、その事業を学研プラスに譲渡するというニュース

「地球の歩き方」は、昭和54年(1979年)創刊なんだ。私が初めて海外に行ったのは1988年だったから、まだ創刊して10年過ぎていない頃でしたが、その当時ですらすでに「海外旅行時のバイブル」的存在感がありましたね。勿論、情報量は今と比べても少なくて、本の厚みもそんなで無く内容も結構有名所中心で、網羅されている地域も、今よりも細分化されていなかったなぁ。

多くの情報がwebに掲載されて利用可能になり、また現地情報も個人・組織問わず色々発信されるようになってきた現在、紙媒体での発刊する意味がどれほどあるのかとも言われるけれど、「万一」の場合には直ぐに取りだして参照出来る利便性は、デジタルデバイスが何かの理由で動作しない、機能しない場合にはバックアップ手段として今でも貴重だと思います。だから、今でも先ずは「地球の歩き方」を買いに行くこともあるし。旅行では無いけれど、同じ理由から私は、自家用車の中に日本地図を一冊購入して入れています。カーナビが使えなくなることは今の時代先ず無いし、地図データも随時最新情報に更新されているから、地図よりも正確な情報なんだけれど、やはり「万一」の場合の保険くらいのつもりでいます。

「移動用のデータ」としては、Webコンテンツやカーナビの方が正確だし優れていると思うけれど、実は「移動していないときの情報」としては、「地球の歩き方」や「地図」の方が有益ですよね。特に「地球の歩き方」なんかは、読み物的な利便性もあるし。「それなら、地球の歩き方をPDF化してWebに置けば」と言われてしまうけれど、それなら紙媒体をPDF化するのでは無く、その内容(=情報)をWeb向けコンテンツとして掲載した方が有益なわけで、紙媒体には紙媒体の良さが有るところが無くなってしまう。世代のせいかもしれないけれど、Kindleで多くの書籍を読むようになっても、やはり紙の文庫本で読みたいときもあるわけで、それが続く間は新しい会社でも「地球の歩き方」は発行されるでしょうね。でも、自分くらいの世代が居なくなったら、紙媒体も急速に衰退していくのかも。そうなると、将来の世代は今の時代の「時代考証」とか、歴史認識とかどうするんだろうか。国会図書館にしか情報が残らない時代が来るんだろうか。その頃には、わざわざ「地球の歩き方」を購入して、事前に色々下調べしないと海外旅行に行けなかった時代から、それこそ近くのコンビニに買い物に行く感覚に海外旅行もなっているんだろうけれど。

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