日本では余り話題になっていないような気がしますが、台湾の総統選挙が行われて、現在の蔡英文氏が800万票余りの信任を得て圧勝。確か蔡氏は、1年前には統一地方選で敗れて、一時は辞任すると言う話も出ていたのが、その後の香港の情勢で台湾内部の危機感が高まり、中国との統合派の勢力が衰退して、今回の雪崩的勝利を呼び込んだ、と言う認識で正しいのかな。となると、中国としては、香港もそうだし、台湾に関しても「下手打った」という事なんでしょうね。
台湾の人の個人的印象は、基本的な気持ちというか考え方は我々と変わらないけれど、やはり南の国の人の気質からか、熱しやすいところもある印象。だから、今回の件も、香港の事を「明日は我が身」と認識して、出来るだけ中国の影響力を遠ざける=蔡総統の維持、という判断は凄く分かりやすい。日本にとっても、蔡総統と安倍総理の関係は良好なので、少なくとも来年9月の安倍総理の任期まで、今の関係が続くことは確実で、日本としても安定した周辺国が一つ担保出来たことは大きいのでは。
今回の選挙は台湾の総統選でしたが、これで益々もう一つの隣国、韓国の対比も強まる気がする。韓国は、次の大統領選は任期満了なら2022年なので、結局あと2年弱は顔ぶれは互いに変わらない予定で、それ故これまでとは違った画期的な解決策が出てくる可能性も限りなく小さい。日本と台湾の深化は進むだろうけど、日本と韓国の関係は現状維持なら御の字、逆に更に悪化する可能性すらあるわけで、いつも思う、同じように日本の支配を戦時中受けたのに、その後の違いは何なんだろうか。
中国の反応は、まぁ予想通りですが、彼らとしては香港の押さえ込みが失敗した時点で、台湾に関しても期待はしていなかったのかも。其れ以前に、中国国内の経済も徐々に厳しくなってきているわけで、先ずはその立て直しというか維持する事が最優先でしょうし。台湾としても、何が何でも直ぐに独立という思いは少ないはずで、中国としても以前ほどでは無いとしても、台湾の企業の支援は必要ですし、その当たりはビジネスとしてWin-Winの関係は今後も維持したいでしょうし。そう言う意味では、変に中国寄り、変に独立肯定派、みたいな極端な政権にならなくて、中国が一番安堵しているかもしれない。
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