2019年12月7日

一人に一台のパソコン

政府が経済対策の一つとして、小中学校の生徒一人に一台ずつのパソコン(PC)を配布するという記事。少子化で子供の数が減っているとは言え、ざっくりと計算して1,000万台近いパソコンが導入されるわけで、これって日本の国内パソコン出荷台数を上回るボリューム。まぁ、どこのメーカーも虎視眈々とシェアを狙っているんでしょうね。ただ、これまでもそうだったように、単純にパソコンを生徒に持たせれば終わりでは無くて、結構学校でのパソコン利用というのは、企業ユーザーに比較して大きく異なるしユニークな課題もあります。

「一人に一台」というのが、その通りだとすると、これまで共有していたパソコンを、授業の度に初期化して新規の状態にして次の利用者に渡す手間が省けるから、それは一つ学校利用の課題解決になるかも。でも、これまで共有パソコンでも、学校内のネットワーク接続が結構大きな課題だったのが、一人に一台と言う事は、生徒の数だけネット接続が必要になるわけで、ここの教室でのアクセスポイントから、校内ネットワークにバックボーンに、さらにはサーバーとか、どうするんだろうか。子供の個人情報を扱うわけだから、企業並みのセキュリティ対策も必要だろうし。私も個人的に色々パソコン利用に関して、知り合いの教師の人に尋ねられることがあるんですが、このネットワーク接続関連の問題が結構大変そうに感じますね。それが、さらに台数が増えるわけで、かなりネットワーク環境を増強しないと駄目なんじゃないだろうか。

当然「物」だけで無く「人」も重要なわけで、その手当はどうするんだろうか。単に教師の人にパソコン講習を受けてもらい、それで何とかなると言う簡単な話でも無いだろうし、これまで以上にユーザーも増える、パソコンの台数も増えれば、それに比例してあるいはそれ以上に問題も生まれてくるだろうし。例えば、パソコンメーカーが、そう言う人材派遣や人材教育も込みで、自社の製品導入を売り込んでくるようになるかも。いゃ、自分が営業だったらそうするし(笑)。ただ、大変なことは大変そうだから、自分には降りかかってこないことを祈りますが(マテ)。

私が就職した頃は、自分達より上の世代は会社で初めてパソコンに触れたと言う人が殆どだったけれど、最近の新入社員も、子供の頃からスマホに慣れているけれど、パソコンは会社で触れるのが初めてという人が多いらしい。背景は違うけれど、パソコンに不慣れな人が増えているのは同じ。唯一の救いは、以前の伯父さんは全くの素人だったけれど、今の新人君達はスマホという情報デバイスには慣れているから、ハードルは低そうなこと。ただ、スマホに比較して色々お作法が必要なパソコンには、慣れる前に離れてしまうかもしれないけれど。いずれにしても、デジタル教育を進めるのは良いことだと思う半面、結局は単発で終わりそうな気がする。

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