実際には、各チーム危機感は持っているし、組織としても色々制限がある中なんとかフットボール人気を日本でも大きくしようと努力していることも事実。フェンシングの競技人口は、番組中では6000人位と表示されていたけれど、日本のフットボール(メット・プロテクターを付ける、フルスタイル)人口は2万人くらいのはず。人数的には3倍位なんですが、フェンシングが準個人競技なのに対して、フットボールは40~50人位が1チームで対戦するチームスポーツで有ることを考えると、露出度ではフットボールの方が分が悪い気がします。もう一つ感じたのが、フェンシングは室内競技で、競技場所をそんなに選ばないから、舞台装置として色々な場所を利用出来るという事が大きいな、と。番組では、全日本選手権をジャニーズの劇場でやったらしいけれど、フットボールや他の屋外競技はなかなかそうは行かない。ただ、太田氏がなんでそう言う場所を選んだのか理由を考えると、幾らキャパシティの大きな会場を利用しても、それを満たすだけの観客がいないのでは選手のモチベーションにも響くわけで、それなら適切なサイズで満席に近い状態で試合をしたほうが、選手に対しても良い影響がでるということ。言ってみれば、観客動員数よりは観客充足率を重視するというのは、正しい戦略だと思う。
もう一つ印象的だったのは、分かりにくいフェンシングのプレーをビジュアル化させることで、例えば一瞬で勝負が付いた的にどちらの選手が勝利したのかライトアップして知らせるとか、顔が見えない分心拍数を表示してドキドキ感を共有するとか、なかなかのアイデア。実は、同じような特集を以前も見た記憶があって、今回保宗されていた内容は、確かその時に太田氏が「こう言う事をやりたい」と言っていたことが実現した姿だと思うんですよね。そう言う意味では、彼の実行力とそれを支える組織が凄いと思うけれど、これをフットボールに応用するにはどうしたら良いのか。フットボールは、実は「数字」に細かいスポーツな訳で、計時と距離(ヤード)が分からないと、試合やプレーの面白みが半減してしまいます。例えば、
- 計時関係
- Q表示
- その中での試合時刻(Game Clock)
- プレー終了からの45秒系(Play Clock)
- タイムアウト(どちらが取り、残り何回か)
- 距離(ヤード)関係
- フィールドポジション(現在のボールの位置)
- ダウン数表示(1st~4th)
- ダウン更新までの残りヤード数
閑話休題。最低でも、上記の7要素に、それぞれのチームの得点、そしてどちらのオフェンスなのかという表示など、結構フットボールの場合は独自の計時方法が必要で、それに対応するためには、野球場ならバックスタンドのマルチスクリーンを活用する事は可能かもしれないけれど、なかなかそれも大変。最近では、動画配信サービスで結構充実しているケースもあるんですが、実際試合を観戦に行くと「今何ダウン?」とか言う会話が生まれてしまうのは残念なこと。で、個人的には、そう言う情報をスマホアプリで提供出来たら、仮にフィールドやスタジアムがプアであっても、目の前の試合を見ながらスマホで状況確認して観戦するというのは、「有り」なんじゃ無いかと。さらに勧めれば、ARで試合を見ながら自動的にそう言う情報がどんどん画面上にスクロールしていっても良いわけだし。問題は、リアルタイムにそう言う情報をどうやって入力するかでしょうね。多分専門の人一人は必要だろうけど、上手く画像認識とかAIとか活用出来れば、フィールドの様子を撮影する固定カメラが一つあれば、自動で解析して情報表示する事は可能だと思うんだけれど。
結論としては、もっともっと知恵を絞るべきだし、絞り出すべき知恵は幾らでもまだまだある。それをどう実現するか、具現化するかは課題だし、太田氏の場合は個人的な知名度も役立っていると思うけれど、それだけじゃ無いことも事実なわけで、フットボールでもやれる余地はまだまだあるはず。やっぱり、変えること、新しい事を貪欲に取り込んでいける気持ちをどれだけ持てるかが、最初の一歩なんでしょうね。
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