京都大学の本庶佑特別教授が、今年のノーベル医学・生理学賞を米国テキサス大のジェームズ・アリソン教授と共に受賞。これまで非常識とも言われていた、免疫治療でのガン療法開発が認められたもので、それだけではよく分からないけれど「オプジーボ」と聞けば私でも知っているガンの特効薬の名前。
記事にも書かれているけれど、免疫システムを利用した方法はこれまでも考えられていたけれど、その免疫力を強化してもなかなか効果がで無い。有るタンパク質がその免疫力が浸透することを防いでいたわけで、それならばそのタンパク質を抑制する方法を考えてみたら、本来の免疫システムががん細胞を攻撃して治癒するという、「敵の敵は味方」みたいな考え方で面白い。今朝の報道番組で解説者の方が言っていてなるほどと思ったんですが、この免疫療法、外から見ていると良くある怪しげな民間療法にも見えるという事で、余り真剣に考えられてこなかった背景もあるらしい。
結局は、「固定概念を壊す」とか「常識を疑う」という、大きな流れにそのまま流されるのでは無く、疑問を感じたら徹底的に納得するまで考えてみるという事だと思うけれど、これを「独自の概念を正しいと思う」とか「非常識を喜ぶ」みたいな勘違いに間々なりがち。以前聞いてなるほどと思ったのが、故中村勘九郎氏が歌舞伎の芸について話したことで、「型破り」な舞台とか演技というものは、その型を究めて初めてその型を超えるものが出来る」というような内容だったと記憶しています。だから、無茶苦茶やるのが型破りでは無いし、何かをミックスしていくのも型破りでは無い。多分、その型を究めると言う事は、一つ根幹というか中心が確立してして、そこにどの様な枝葉を付けるのか、あるいは場合によっては根幹を弄るのか、そう言うことを理解していないと単なる寄せ集めにしかならないという事なんですよね。そう言う意味で、今回の発見もしっかりとした基礎研究や知識の上に、本来専門では無いガン治療の領域へ型破りな発想を持ち込んで実現したことが凄いと思う。
「常識を疑え」と欠いたけれど、別の言い方をすれば「常識に流されるな」という事なんでしょうね。「これ常識だから、普通だから問題無い」と胃無意識に考えてしまうと、結局全てが流されていくだけ。時々「あれ?」と思うこと、感じる機会というものを、時には偶然もあるだろうけど、自ら作ってみることも必要なんだろうなぁ。例えば、自分が関わっている製品にしても、自社製品だけしか見ていないとそれが全てと思ってしまうけれど、他社製品と比較するだけでも色々な発見はあるし、別の種類の製品と比較しても色々な気付きがある。さらには、例えば価格帯は同じ位だけれど、全く別物の製品と比較してみるとか、それこそ「気付き」の機会は幾らでもあるわけで、それをどの様に自分の生活の一部にしていくのか、そう言う一寸したことが重要なんだと今回「気付き」を得たとも言えますね。
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