2018年2月1日

新富士ゼロックス

昨日発表された、富士ゼロックスと米ゼロックスの統合の話。ちょっとややこしい。元々、米ゼロックスと富士フイルムの合弁会社である日本の「(現)富士ゼロックス」ですが、米ゼロックスがこの(現)富士ゼロックスを先ず完全子会社化する。で、その米ゼロックスの株式の50.1%を富士フイルムが取得して、この米ゼロックスを富士フイルムの傘下にして社名を「(新)富士ゼロックス」にする、というもの。

現在の米ゼロックスと富士ゼロックスの会社概要を見てびっくりしたんですが、米ゼロックスの2016年の売上げは約1兆2000億円で社員数は37,000人余り。一方で富士ゼロックスの2017年3月の売上げは1兆800億円余りで、社員数は47,000人余り。個人的なイメージでは、米ゼロックスの方が大きい気がしていたんですが、ほぼ同規模の会社なんですね。富士ゼロックスの場合、日本を中心に中国やアジア、オセアニア地区がビジネスエリアなので、今一番成長している市場を抱えているからそれも不思議では無いのかもしれないけれど。

「ゼロックス(Xerox)といえば、印刷やコピー機の会社と誰もが思うように、それらの機器販売とメンテナンスがビジネスモデルの中心なんだろうけど、世の中的にはどんどんペーパーレス化が進み、電子化が進んでいる状態では、じり貧で有る事も確か。さらに、Xeroxのゼログラフィ(電子写真技術)の特許が切れてからは、国内のキヤノン、リコー等のメーカーが台頭してきて厳しい状況が続いていましたからね。この統合に先立ち、社員数が上回る富士ゼロックスは1万人の削減を発表。ほぼ同規模の会社同士の合併で世界的な2兆円企業が誕生して、それが富士フイルムHDの傘下に入るのかぁ。富士ゼロックスと富士フイルムを合わせた現在の富士フイルムHDとしての売上げは2兆3000億円位で、ここに米ゼロックス分が入ると、3.5兆円近くの規模になるので、かなり大きな拡張ですよね。多分、グローバルな所は米ゼロックスの今の組織や販売網を利用して、富士フイルムのビジネスを広げていくんだろうから、上手くいけば4兆円企業も近いかも。

世の中、コスト削減のため効率化を進めていき、それはほぼイコール規模の拡大を目指すことになるわけで、今回も富士ゼロックスで1万人削減するといわれていて、さらには米ゼロックスとの設備統廃合もあるだろうし、今後も資産や人材が放出されることが予想されます。唯一の救いは、今のところ景気は上向きなので、その1万人の人材を喉から手が出るほど欲しいと言う企業も多いんじゃないだろうか。そこから、また面白い企業や製品が生まれて欲しい所ですね。個人的には、新生富士ゼロックスには、画期的な3Dプリンター=リプリケーターを是非実用化して欲しいんだけれど...

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