2018年1月30日

評価の違い

朝日新聞に掲載された送電線の利用率が2割という記事。この発表をした兄弟の安田陽特任教授や掲載した朝日新聞に対して、その評価はおかしいのではないかという批判が出ているけれど、こちらの池田信夫氏の話が間りゃんにまとめられている話かなと言う気がします。私は強電関係は詳しくないけれど、一般論として万一の場合を想定して安全率はそれなりに高めに設定するだろうから、池田氏が言うように二重化されているので利用率が50%を超えることはない、と言う話は、概略的には正しい気がします。安全係数が2倍というのは、まぁ落としどころだろうし。

難しいのは、送電回路は単純にAからBへ直接送電するような話ではなく、色々な経路を経由して目的地に届く物で有り、さらにそこには別の経路が複雑に絡み合ったりしている物で、単純に「この場所が何%だから安全」とか言える話でも無いと思うんですよね。さらに、池田氏の記事にも後半書かれているけれど、まず消費電力が変化するわけだから、有る瞬間で間に合っても、次の習慣にピークが来るかもしれない。さらに、それとは非同期で発電側も変動しながら送電網に電気を送り込んでくるわけで、その変動も考えないといけない。仮に送電側だけ考えて、再生可能エネルギーの最大値を前提に送電利用率を考えたら、再生エネルギーの常の発電量はそれを下回るだろうし、そういう意味でも有る程度の余力を考えておかないといけない。

さらに感じるのは、利用率という言い方をしているけれど、実際には全体で何KWh容量があって、そこに再生可能エネルギーが何KWh見込まれるけれど、空き容量は何KWh残っているのかという実際値で話をしないと行けない気がするんですけどね。割合で言うから、逆に分かりにくい話になっているような気がするんですけどね。

ここでも何回か書いているけれど、今私の電気利用料金は月で1万円弱くらいだけれど、再生エネルギーの賦課金は1000円を超えています。再生エネルギーを利用することに異論は無いけれど、それならば健康食品とかLohasとかという、付加価値分価格上乗せされても文句言わないように、再生エネルギー利用者はその分をちゃんと払って欲しいと思いますね。いずれにしても、消費予想が難しいから出力側(=発電側)は安定して勝つ管理しやすい物をと言う事で、原子力に火力発電を組み合わせて調整してきた物が、そこに先ず割合は少ないとは言え天候次第条件次第で発電量がリアルタイムに大きく変動する再生可能エネルギーを組み合わせることは、さらに変数が増える難しい作業を強いられるわけで、それならばこれまで以上に安全係数しても不思議は無いのだけれど。この安田先生という方がどういう人かは分からないけれど、単に実績値だけで割合を出して批評している気がする。それをそのまま掲載しているメディアも同罪だよなぁ。そういう意味で、自分達がちゃんと理解していない内容のものを掲載してしまうのというのは、SNS等で身勝手なことを書き散らしている困ったちゃんと同じく何が違うのかよく分からない存在と言っても良いのでは。ますますレガシーメディアが沈降していく象徴の一つなんだろうな。

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