2017年9月12日

電波オークション

過去何度か現れては消えていった「電波オークション」が、今度は本気で実現するのか、こんなニュースが。私はアマチュア無線の免許を持っているので、毎年電波利用料を払っていますが、当然放送局や電話会社も電波を利用している以上、同様に利用料を払っています。ただ記事にも書かれているように、放送局が払っているのは高々数億円何ですよね。年間の売上げ額が数千億円有るのに、その最大の原価たる「電波」の利用料金は高々数億円。原価率0.1%ですよ。勿論、コストは電波だけで無く、放送施設や中継局、さらには色々な番組作成のために必要なコストも有るだろうけど、それらは別途「制作費=広告料」として回収出来るわけだから、安い番組は安く作るだろうし高い番組はそれなりに高い広告料を要求すれば、コストと利益のバランスは常に黒字化出来るでしょう。本来はそうあるべきなんですよね。

「オークションの場合、青天井に上がるのでは」という懸念もあるけれど、それが宝飾品や骨董品のように個人の価値観で値段が決まるものならそういう懸念もあるだろうけど、今回の様な場合は「オークション」と言うよりは建築などの「入札」に近い感覚だろうから、最初のうちは高騰するかもしれないけれど、そのうちには損益分岐点を考えた価格に収斂するでしょう。

オークションでどの程度の価格帯に落ち着くか分からないけれど、例えば今BS/CSで多くの時間帯を占める通販系の番組などは、時間帯や内容の自由度が増すし、自分達で放送設備もあるから、それなりにお金を払ってもペイ出来る可能性は高いんじゃ無いだろうか。でも、それでは24時間製品紹介の放送局になってしまうという危惧もあるけれど、でも単に通販番組を流せば良いというわけでも無いだろうし、逆に今のアニメのように売りたい商品を番組に仕込ませた番組を流して相乗効果を狙うとか、その為にはその番組自体の視聴率も上がらないと意味が無いわけで、そうなると番組プログラム自体の品質アップに繋がる可能性もあるのでは。

ただ、既存のメディアの抵抗は大きいでしょうね。先ず、どれだけライバル企業が参入するか分からないので、放送用の周波数が確保出来るか分からない。さらに、希望の周波数が取れなかったら確保出来てもチャンネルが変わる可能性もあるから、それも困る。オークションに関しては、一社毎に入札するのか、ある程度まとまった周波数を一括してオークションして、それに対してコンソーシアム見たいな形で参入するのか詳細は不明だけれど、税収増加という目的よりも、放送の適正化見たいな方向にも繋がって欲しいですよね。さらに言えば、今は新聞社と放送局が親会社子会社みたいな関係になっているけれど、それって本来はおかしいはず。放送は放送の、新聞な新聞のそれぞれの役割があるわけで、場合によっては両者が議論したり対立することだってあって良いはずで、それが親会社だから見たいな形で曲げられる方がおかしいはず。

さらに言えば、電波利用がコストアップ、制限が出来てくるのであれば、もっとどんどんインターネット中継にシフトすることで、内容がバラエティに富み色々な種類のコンテンツが増えれば良いと思う。そうすることで、一方通行的に流される放送を見るのでは無く、ユーザーが選択して見る方向性が生まれて、それはユーザーとしての正しい立場だと思うから。今のように流されていく放送では、知らないうちに刷り込まれることもあるわけですからね。日本版のESPNとかCNNとかFOX見たいな放送局が、どんどん生まれて欲しい。そうすると、既存の日本版CBS, NBC, ABC見たいな放送局も変わっていく気がする。

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