2017年8月19日

瞬間と連続

CX系列のお昼の情報(バラエティー)番組「バイキング」で、閉会中審議の様子を放送したのだけれど、小野寺大臣の発言中に背後の官僚が下を向く瞬間を切り出して、その様子をもって「官僚が審議中寝ている」と批判した件。まぁ、確かにその様子を見せられて、その様に言われたら「寝ている」と見られても仕方ない映像だけれど、よく国会中に偉い議員先生方はもっと大胆に上を向いて寝ていたり、体が倒れていたりしているわけで、そんな様子は殆ど流されないし批判もされない。最も、自民党議員はたまにやり玉に挙げられるけれど、野党議員はそんなことは無いように思うのは気のせい?! (笑)

この映像、藤原かずえ氏が動画も含めて検証しているけれど、特に寝ている様子は無くて、たまたま下を向いた瞬間を切り出している様子。意図的なら相当悪質だし、偶然としても神業的。と言うか、官僚が寝ていると言うテーマで話しをしているわけだから、多分そういう瞬間を探したんでしょうね。

私も写真を撮影するからよく分かるけれど、試合を見ていた時、あるいはビデオで見た時と、同じ場面を撮影した写真では、全く印象が異なることは普通によく起こります。特に表情に関しては、その時には全く認識無いのだけれど、写真で見たらとんでもない顔で写っている時が良くあり、「これ、見せてもいいのか」と悩む時も(笑)。ある意味、動画と写真では印象が真逆になる事もしばしばあります。グッドプレーと思ったら反則していた、とか。

先日もTBS系列の「ひるおび」で、小池都知事就任挨拶の時に自民党の都議が握手を拒否したという映像を流して、実はその直後に遅れて手を出して握手しているんだけど、その部分はカットして「拒否」というナレーションをしたから捏造だと騒ぎになったけれど、実はスチル(=写真)と動画の関係もまさにそうで、ある一定の長さの中に事実が含まれているのに、その一部瞬間だけ切り出しても全体を代表させることはなかなか難しい。勿論、写真にもその瞬間を切り出すことによる価値であったり真実が込められる場合も有るんですが、今回のケースは全く別物。

と言うか、技術が発達した現在では、その気になれば動画でも写真でも加工をして、いない人を追加したり、逆にいた人を消したりすることも出来るし、場合によってはその場面自体を「作る」事も可能。本来事実の証明であるべき映像や画像が、その信頼性を損なう証拠になってしまっていることが、一番の問題じゃ無いだろうか。中国とか韓国が、昔の写真を持ち出して適当な説明・キャプションを付けて日本を批判するけれど、よくよく見たら実はそれは自分達の悪行の証拠であったりするのと同じ事を、今のメディアはごく普通に行っていることを、我々は認識していかないと生けませんね。だからネットを信用しようという安易な判断では無く、少なくともいつでも自由に情報検索比較出来るだけでも、ネットは既存メディアよりも「信頼性を確認することが出来る」というメリットをもっと遡及しないと。

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