2017年6月10日

裏の裏を行く?

先日発表された、市場問題PTの第一次報告書。例によって「築地ありき」で豊洲を否定する内容かと思ったら、そこはそうなんだけど、大穴で「一時豊洲に移転して、その間に築地再整備」なんていうのをだしてきた。築地残留が目的と思われるこのPTとしては、今のままで言いと言うことは流石に言えないので、何とか取り繕う程度の改修なりを見せないといけない。以前のアイデアでは、今の営業を続けながら、空いている場所などを利用して玉突きのように部分毎に回収作業をしていくというアイデアだったけれど、それ「机上の空論」では。大体、地下の汚染状況も豊洲より酷いことが調査で分かったので、土壌改良だってやらなきゃいけないだろうし、そうなると部分部分で作業していくなんて事は有り得ない。とは言っても、今更豊洲でOKとは言えないし、今の小池都知事や都民ファーストの会から立候補しようとしている都議会議員候補者にとっても、このタイミングで「どっち」という事を言うのは得策では無い。だから、以前は都民に判断して貰うとか言っていた都知事も、このタイミングでは態度を線名にしないわけだし。

で、第3のアイデアである豊洲に一時移転しての築地再整備なんだけど、これそもそも矛盾しているわけですよね。つまり、色々問題があるから移転出来ないと言っている豊洲に、何故一時的とは言いつつも移転出来るのか。また、元々移転を想定してそれに必要な設備が揃っている場所に移動してきたのに、何でまた新たなお金を掛けて築地を再整備しないといけないのか。個人的に勘ぐるに、

  1. 選挙目的で築地残留派の票を取り込んだが、実は選挙後の結果が問題無いだろうから、それを受けて豊洲移転するつもりだった
  2. ところがその結果でベンゼンが出てしない目算が狂い、ズルズルと延期するはめに
  3. 都議会議員選挙では、都民ファーストの議員確保が必須なので余りこの件で左右されたくない
  4. 築地残留であっても、豊洲よりも高濃度の汚染が観測されてしまい、何らかの対策が必要になってしまった
  5. 百条委員会など開催してみたものの、決定的な証拠も無くこれを理由に築地残留という言い訳も難しくなった
  6. それもこれも有って、築地残留賛成派が減り逆に豊洲移転はが増えつつある。待たせ論的にも「決められない都知事」という認識が広がりつつある
  7. そこが考えられたのが「豊洲には移転するけれどあくまで暫定措置。将来的には築地を再整備して築地に戻る」という一県もっともそうなさらなる延期計画か
豊洲には、一部の都民感情以外の問題も無いし、何時でも移転出来る状態なのは確か。さらに、独断で豊洲移転中止を決めた小池都知事としては、このまま豊洲に移転しないと個人的に責任が問われかねない。都議会として正式に決定している豊洲移転なのだから、その通り名目はどうあれ豊洲に一度移転してしまえば、自分が一度止めた移転の責任も逃れると考えたのが一つ。また、時期は明記しなくとも「築地に戻る」と言い続ければ、少なくとも一定期間は今の築地残留派の支持も続くだろう、見たいな打算の結果では無いかと。2020年のオリンピック・パラリンピック開催も有り、築地周辺の整備は急務というかもう遅いくらい。事は豊洲移転という一つの命題だけで無く、それを切っ掛けに様々な整備計画が関係しているわけで、その為には築地を一度更地にして整備しないことには何も進まない。豊洲移転を渋る程度なら、まだと知事の問題で済むけれど、これで2020年のオリンピック・パラリンピックが失敗したとなると、これはもう政治生命の終わり所の話では無い。となると、何としても築地の土地を空けないといけないし、その為には一度何か理由を付けてでも豊洲に移るのが最善で最速と言う事。

正直市場問題PTの小島座長がどの様な経緯でこの三番目のアイデアを入れたのか凄く不思議なのだけれど、自分が提案した築地改修案が凹凹にされて非難されたから、流石にその実現性を見直して少しは現実的なアイデアをだしてきたのだろうか。それでも、例えば一時避難先として大田市場とかに仮移転すると言うならまだ分かるけれど、豊洲に行くという事は豊洲を認めるという事になるわけで、そこに矛盾が生まれると思うのだけれど。小池都知事は選挙の前に態度を決めるという話もあるけれど、なんとなく何だかんだ言い訳を付けて、三番目の「豊洲移転、しかしあくまで暫定措置」という言い方になりそうな気がする。さて、予想の結果はいかに(笑)。

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