2017年5月11日

有機ELテレビ

パナソニックも発表した有機ELテレビ。LGEが量産を始めて、その後東芝、SONY、パナソニックスと有機ELテレビを発表しているわけですが、このパネルがLGE製ということで、とある方々は不満に感じていることもあるらしい(笑)。まぁ、一時は世界の家電市場を席巻した日本メーカーは、現在ではその陰も見られないほど後退してしまったけれど、それでもまだまだ元気は残っているわけで、3Dテレビではおおこけした市場を何とか盛り上げようと頑張っている姿勢は応援したい。

日本メーカーも、特にSONY等も有機ELパネル開発に鎬を削ったわけですが、大画面サイズのパネル製造の歩留まりとかコストで断念。結果的にLGEの独占市場になったわけですが、逆に言えばLGEとしても決して少なくない開発コストを回収するためには、このパネルがどんどん売れてくれないと困るわけで、仮にLGEだけで独占すると、シャープの亀山パネルみたいな感じで、設備投資や開発費が回収できなくて破綻する可能性の方が大きいでしょうね。だから、LGEとしては販路を広げて投資を回収したいし、メーカー側はある程度の購入をすることで価格の値引きとか有利な条件を獲得したい。そのあたりの鬩ぎ合いと言うか交渉が、実は隠れた開発能力の一部とも言えるんじゃ無いかと。

気持ち的には全て国産、純日本製というのが嬉しいのは分かるけれど、今の世の中はそれを実行して成立ほど甘くないものがほとんど。コストダウンと品質保持を両立させて、さらに付加価値を付けないとビジネスにならない。そう言う意味で、キーコンポーネントでは有るけれどコストも掛かるパネルは外注して、それよりもそのパネルを使う駆動回路や全体のシステムデザインに軸足を持ってくるのが正しい姿勢。LGEの製品のロゴだけ張り替えて「〇〇製」として国内メーカー製品として販売することは流石に???だけれど、パネルや一部部品を購入して独自製品に仕上げるのは、ほとんどの商品でやっていること。そう言う分業体制がちゃんと管理できて回せるのが、これからの汎用製品を作るメーカーの能力ですよね。価格帯が合わないからニトリが手を出すとは思えないけれど、逆にこれまでの国内メーカーが有機ELに移行するなら、ニトリとか無印良品当たりは、それでだぶつくだろう既存のHDパネルとか場合によっては4Kのパネルを大量に購入して、それで自社製品を安く作って売るようなスキームを考えるかも。パネルメーカーである、LGEやSamsungにしても、有機ELだけでビジネス出来るわけじゃ無いから、既存製品のラインをどんどん回せるなら有りがたいはずだし。

所で、有機ELって穴高消費電力が大きくて問題だったような気もするんだけど、その問題は大丈夫なんだろうか。画質の綺麗さは良く宣伝されているけれど、消費電力の話って効いた記憶が無いけれど...

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