2017年5月9日

他人事報道

東北地方で続く山火事やその延焼は、なかなか鎮火しない様子ですが、この週末には一雨来そうなので、それで何とか落ち着いて欲しい。で、その山火事に関連して、和歌山の新聞・紀伊民報のコラムで、この山火事で放射性物質が飛散して被曝する危険があるというコラムが掲載され、それが例によってTwitter等で無責任に拡散されることに。知人経由の情報を編集局長がコラム掲載したらしいけれど、何で最近の新聞記事って「裏付け」を取らないのだろうか。先日も朝日新聞が母親の取材せずに証言を捏造した記事があったけれど、それって彼らが批判する「ネットの落書き」と同じじゃん。疑問なのは、この山火事コラムが掲載された時は、まだ今のように東北のあちこちで山火事が発生している以前の、まだ浪江・双葉地区での火災の時で、確か記憶では「警戒地域で火災が発生」というニュースは聞いた記憶があるけれど、それ程大きなニュースにはなっていなかったように思います。それを、例えば福島とか宮城の新聞社が取り上げてコラムにするなら分かるけれど、和歌山の地方紙が何でわざわざ取り上げるのかよく分からない。例えば姉妹都市提携などが有り、相手側の被害を見舞うとか言うならまだ分かるけれど、そんな内容じゃ無いですからね。

そのコラムは批判を受けて、その後謝罪するコラムを再掲載したみたいですが、それで終わらないのがメディア・情報社会の怖さで、最初のコラムが引用されて拡散されてしまうと、それら全てを訂正することは不可能なわけで、訂正されない情報がどんどん一人歩きしてしまう。これってネットだけで無く、所謂「虐め問題」ってこう言う形で小さな誤解がどんどん歪みながら拡大されて、結果的に根も葉もないことを一人が背負わされてそれが理由で周りから隔離されていじめられていく神津と同じなんじゃ無いかといつも思います。今回も結果的に福島県は火消しに多大な労力を払わないといけなくなり、でもそれでも誤解された情報はどんどん広まっていくわけで、それって一般人が気楽にtwitterに書き込んだ話が拡散していくこと以上に「メディア」を名乗る以上もっと慎重にそして真摯に対応すべき事だと思いますね。それは大手だろうと地方のローカル紙だろうと関係無く、少なくともその情報を扱うことでビジネスをしていて、さらに公共の公器を自認するのであれば当然のこと。

メディアの人は「メディアは真実を提供するもの」という言い方をするけれど、その「真実」の定義が明らかじゃ無いわけで、結果的にはその会社なりその人が信じる「真実」ありきの記事を書いていくことになってしまう。メディアが伝えるべきは「事実」だけで、それ以外のことは基本的には排除すべきもの。それが出来ないから、昔とは逆にメディアの情報を一般の情報が検証していく構図が出来てしまったんですよね。その事はメディア大いに恥じるべきだと思う。


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