2017年5月19日

インターンシップは悪者か

日経新聞の記事から、インターンシップ直結の採用は大学として認められないと有識者会議が結論づけたという記事。私自身、もう採用する側としても採用される側としても関係の無い話だけれど、甥っ子が暫く前に就職したりして、それなりに身近な話題。自分が就職活動を指定頃は、インターンシップなんていう制度も無くて、基本「OB/OG訪問」と称して見ず知らずのOB/OGを尋ねて会社を回るわけですが、正直余り仕事とかの役に立つような話は無かったような。私は、1980年代中頃の、バブル採用最初の時だったので、前年までの厳しい採用状況が180度代わり、まぁ引く手あまたというか、えり好みしても希望の企業に内定貰えるような状況。運が良かったと言えばそれまでだけど、それなりに面白い仕事をずっと出来たことは幸いでした。

一報で、最近はインターンシップで大学生の人達が今ぐらいの時期に会社で仕事をしているんだけど、正直受け入れる側としてもいきなり通常の業務に投入しても遣り方など分からないだろうし、実務と彼らが勉強している学問とはかなり違う部分もあるので、そのまま一致して仕事を任せられることは先ずありません。その当たり、企業側としては採用に繋げて良い人材を確保したいという気持ちは強いけれど、だからといってどの様なことを経験して貰ったら学生さん達の興味を引けるか、難しいですよね。

自分が最近感じるのは、法学部などで司法試験を受験する人は、合格すると大学を中退して弁護士とかになる人も多いわけですが、ああいう仕組みがそれ以外の職種であっても良いのかな、と。最近の流行では、大学内ベンチャーみたいな形で、学生の身分ながら大学内企業として立ち上げたりする人もいるけれど、あれが大学外企業で有っても良いんじゃ無いかと。さらに言うならば、そう言う場合はその大学を中退するのでは無く、保留みたいな形にして、何年後かに残りの単位を取得したら卒業扱いにして貰えるとか、あるいはその企業活動をフィードバックするような論文とか大学へのリターンがあれば、単位取得を優遇して卒業出来るとか。別にそう言う人達は「大学卒業」というラベルは要らないのかもしれないけれど、大学側としてはそう言う人材が成功した後に何らかのリターンを残してくれることで、さらに異なる成長戦略を描くことも可能になるんじゃ無いかと思うんですよね。

小中は義務教育だから当然駄目だし、高校もほぼ義務教育みたいな事もある誌年齢的な事もあるから厳しいと思うけれど、大学生からは「学業」という目的の先には「就業」「就職」という次のステップがあるわけだから、そこは今よりも実社会との関係を密に下方向に進むことの方が意味があるのでは。そう言う意味では、高校生に対しても、工業高校とか商業高校とか、あるいは普通科の高校でも就職を希望する高校生に対しては、同様のインターンシップ制度が有っても良いような気がする。

何でそんなことを感じるかというと、一つは今の会社活動は昔のように終身雇用制度が崩壊していて、働く側にしても自分で有利な環境を開拓していく必要があること。もう一つは、特にIT関連の技術が発達したことで、年齢とか経験とか関係無く「ビジネス」を始めることが可能になってきたから。昔の考えだと「仕事は仕事、学問は学問」という明確な区別を付けるのが普通だったのだろうけど、今はそう言う壁を無くしても、逆に「仕事から学ぶ、学びを仕事に繋げる」というクロスオーバーな仕組みの方が意味があるような気がしてきた。だから、インターンシップは学生が企業に入ってくる話だけれど、逆に企業人が何時でも大学に戻って学び直す、新しい分野に挑戦出来るパスも同時に考えることが意味があると思いますねぇ。

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