産経新聞関西版に掲載されていた、中国人観光客のマナーに関してのコラム。まぁ、日本人も含めて、外国に行ってその国・地域の「常識」や「マナー」とは異なる自己流の行動をする事はあるわけですが、その中でも中国人のマナーなるものが注目されていることも事実。その最大の理由は、最近の経済発展のために一気に大量の観光客が世界中に旅行し始めたことと、逆にそう言う機会は必ずしも自由に頻繁に得られるものでは無いので、旺盛に買い物をしていく事による影響力の大きさが、これまでのそう言う「発展途上観光客」の中でも目立つ存在だからでしょうね。
で、コラムにも書かれているように「日本でやっちゃいけないこと」とか言う話は、結構見聞きする話何ですが、個人的に思うそう言う事柄を中国人観光客に理解して率先して貰う方法として一番なのは、彼らの自尊心、プライドをくすぐることじゃ無いかと思うわけです。中国人、あと韓国人もその傾向が大きいと思うけれど、彼らは面子を重んじる国民性。序列だとか、優劣とかに拘り、公の場所では常に自分を大きく見せたいもの。そう言う面子をくすぐるような誘導の仕方をすると、こう日本のマナーというか社会常識に沿った行動をしてくれるように思うんですけどね。ただ、その辺は日本人的には余り馴染みが無いので、いきなり目の前に現れてしまうと大変なんだけれど。
2000年代の前半くらいには、中国系(台湾、香港含む)のエンジニアやマネージャーと仕事をすることが多かったんですが、当時は中国本土の人はあまりいなくて(2割位)、台湾系の人が半分、残り3割強が香港の人でした。で、香港の人が一番英語は出来るし上手いし仕事は熱心だし、日本人との違いを直面させられた記憶は今でも残っています。イギリス領から中国に返還された頃からその直後くらいだったから、まだまだ西洋的な雰囲気もシステムも残っている時期で、あの頃はある意味アジアの中で一番アグレッシブな印象を受けましたねぇ。それに比べて、日本は勿論、台湾のエンジニア三男かは一寸清純しているというかおっとりしているというか。でも、台湾の人も日本人に比べたら十分活動的だったけれど。一番困るのは、北京とかに行くと多い、中国の有名大学は出たけれど外の世界は全く知らない人と、香港ほどでは無いけれどそこそこ知っている人の二種類に分かれること。前者の人達と仕事をするのは大変でした。世界は自分中心に回っていると思っている人達でしたからね、極端な話。で、後者の人はまだ少しましだったけれど、こちらもなまじ少し外の世界を知っているだけにこちらのやり方も分かるから、そう言う意味では大変でした。
ただ、幸いにも自分が仕事をした人達は、どの種類の人も面白くて気の合う人が多くて、日本にも出張で来るのが楽しみだったりしたので、良く色々名目を作って呼んであげました。最近は分からないけれど、当時は日本に招聘するためには二月くらい準備や手続きが必要で本当は面倒だったのだけれど。今は違うと思いますが、日本へのビザ取得のために、こちらの招聘理由書から滞在予定表・滞在地、さらには受け入れ先責任者の同意とか、もう大変。そう言う時代が、10年位前まで続いていたところに、いきなり渡航のためのハードルが下がってきたから、そりゃぁ色々ありますよね。ただ、日本人が間違っちゃいけないのは、おもてなしだからと言って相手の言っていることやりたいことをそのまま受け入れるのは間違いだという事。日本に来ている以上は、先ずは守るべきは日本のルールであり常識で有りマナーであることは当然。それらを守った上で、出来る事はしてあげるし、サービスしてあげることが「おもてなし」のはず。そこを間違えちゃいけませんね。そう言う意味で、ちゃんとした情報を伝える義務は日本人にあると思う。でも、それを相手に理解して貰い実行して貰うために、日本人的なやり方をしては拒絶されるので、そこはこちらが譲って相手の自尊心をくすぐるような方法を使うのが、実は正しいおもてなし方法だと思う。
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