2017年3月8日

ヤマトの値上げ

物流最大手のヤマト運輸が、従業員の待遇改善などのために27年振りに宅配料金を値上げするというニュース。一番ビックリするのが、これが27年振りの値上げだという事。途中消費税の変更でその分の変更はあるようですが、正味の料金改定は今回が初めて。そう言われれば、昔と比べてもそんなに宅配料金が高くなったという印象は無いですよねぇ。30年近くも離れれば、物価のレベルだって異なるはずで、幾らその間にデフレなどの価格低下の要因が入っていたとしても、欲もそんなに長い間価格を据え置ける物だと驚きます。一つは、それだけ市場を占有しているからスケールメリットが有るのだろうという事と、効率化などでの省力化という事もあるんだろうけど、逆にその間にも時間指定や当日・翌日配送等のサービス拡充も進めているわけで、歪みも多かったように感じますね。

私もユーザーだから料金体系は安いのに越したことは無いのだけれど、それでも無責任な利用者のためにこちらがとばっちりを受けるのも困る。例えば日時指定したのにもかかわらず、その時間帯に不在だった場合は再配達料金を取るとか、いつ来るか分からないような荷物に関しては、メルアドを登録しておけば少なくとも前日には配送情報が届いて、場合によっては日時変更出来るようにするとか。あと、それこそAIを利用して、その日の配送コースの顧客の受取可能時間を登録しておくと、コースと顧客都合の最適解をリアルタイムに導き出して、可能な限り再配送を減らしてくれるようなシステムを組むことも可能では。

ただ、料金をアップして扱い商品が減ることで宅配ドライバーの負担が減るのは良いけれど、結局料金が上がっても扱い量がそのままでは現場の苦労の改善には繋がらない。幾ら残業手当が増えても、今まで通り朝から夜まで仕事しても終わらないとなると、やはり現場の不満は残るだろうし。料金値上げだけで無く、やはり何時でも荷物を受け取ることが出来る「宅配ボックス」の利用が重要なのでは。それこそ、マンションなどなら棟単位で共用ボックスにするとか、一戸建てでもその周辺で一つ共有するとか。で、そう言う場所への配達は、逆に深夜などの空いているときに集中して配達してしまうとか。「宅配ボックス受取」みたいに、その分割り引いても良いのでは。ただ、サイズの問題もあるから大きな物は難しいだろうし、クール便なども無理だろうけど、それでもかなりの再配達が回避できそう。

で、仮に配達の種類で料金が今後変わるようになるとすると、これまで以上にコンビニ受取が増えると思うんですが、そうなると大量の荷物を保管しないといけないコンビニは悲鳴が上がりそう。例えば、AmazonがPrime会員向けに宅配ボックスをレンタルするとか、結構もっとダイナミックな解決策が必要なんじゃ無いかな。特に毎日受け取るようなユーザーは。いずれにしても、これまでこちらが買い物に行く、受取に行く物だった物流が、届けて貰うという逆の立場にシステムが変わってきているわけで、それに合わせたシステム再編成が必要な事は事実ですね。その解決策を提示できるところが、次のステージのトップになるんだろうなぁ。

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