2017年3月5日

安全と安心

豊洲の移転問題、豊洲の環境基準などは一部メディアが意図的とも感じられる煽り方をしているけれど、現実的には問題無いレベルだし、そもそもその地下水は使用もせずに逆に浄化して排水するだけの物だから議論になること自体がおかしい。すでに多くの場所で、豊洲市場の「安全性」は確認されているし問題無い。一方で、未だ移転決断をせずにいる都知事側は、その理由を「安心が担保されない」という言い方をしているのだけれど、それっておかしくないだろうか。

「安全」は、定量的にある程度確認出来るものだし、科学的な根拠が裏付けされている物で、それを否定するにはそれ相当の努力というか理由が無いと出来ない。一番多いのは、今回のベンゼンの値のように、その数値が持つ意味では無く、その数値自体を比較して別の意味にしてしまうこと。やっかいなのは、それ自体は事実何ですよね。基準値があり、その何倍もの値が観測されたというのは事実。でも、そのことと、じゃぁその基準値はどう言う状況のために設定されている物で、それは豊洲での日常にどう関わるのかという所はすっ飛ばされている。それなのに移転しないのは、都民にまだ豊洲に対しての「安心」が無いからと言うけれど、でもそれって都側が都民に説明して醸成していくものじゃないのか。相手が安心するまで待つと言うのは、都として何もしないことじゃ無いだろうか。

結局都側(小池都知事側)がそう言う態度を取るのは、彼らとしてこの問題のゴール設定をしていないからなんですね。例えば豊洲に移転するというゴールならば、今以上に9回目の異常値に関しての背景説明や、あと昨日のニュースでは9回目は業者が変わったことも有り採水方法もそれまでと違っていたらしいけれど、そう言う説明も今頃になってやっと出てきたところ。逆に築地に残るのであれば、そのメリットをちゃんと説明して、だからこれだけお金をかけても意味があるとか、こう言う対処方法が可能だからそうするという説明が必要だけれど、それもない。結局彼らがやっているゴール設定は「自分達では決めない、決められない」という事だけじゃ無いだろうか。

多分設定すべきゴールは3つしか無いんですよね。1つは豊洲移転、2つ目は築地残留、3つ目は他の市場への移転統合(例えば太田市場)し、築地・豊洲共に廃止、だろうかなと。そのゴールの内、1つ目の豊洲移転がこれまでのゴール設定だったわけで、豊洲移転中止という決定がで無い限りは、実は現時点でもこのゴールは変わっていないはず。確かに9回目の検査結果を、その数値の大きさのみ取り上げてマスコミも騒ぐから、直後に説明することは難しいかもしれないけれど、それでもちゃんとその数値の意味するところを解析して、その上で本当に問題のある値なのか、解決可能な値なのか、それすらまだちゃんと出てきていない。都民の不安を言うのであれば、それは報道された値の大きさが原因では無く、都知事としての明確なビジョン(ゴール設定)が成されて異な事に対してと、それに対しての明快な説明が無い事が最大の理由でしょうね。少なくとも、築地から「移転する(1or3)」のか「移転しない(=2)」なのかという、最も基本的なゴール設定は先ずするべきでしょう。まだ決められない、決めていないというのは、仕事をしていない、仕事が出来ない無能な人、という意味でもあると思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿