2017年3月12日

キーワードにこだわる

豊洲市場移転問題に関しての百条委員会が開催され、東京ガスから提出された書類資料などを元に追求が始まっていますが、早速メディアは「土壌Xデー」なるキーワードに飛びついてフレームアップしている。凄く疑問に思うのは、その言葉が書かれていたという「メモ」なるものが、どう言うものなのか説明が無い事。議事録とか報告書と言った正式な書類では無いと思うけれど、それが例えば何かの会議で議事録作成のために書かれた記録者の覚え書きなのか、個人的な文字通りのメモなのか、またそれを書いた人間が誰なのかと言う事が少なくともテレビなどの報道では明らかにされないので、先ずその情報の信憑性自体が疑わしい。また、委員会に出席している東京ガスの人間も全員がそう言う内容は記憶に無いと言っているけれど、例えばそのメモが書かれた会議に出席していたとしても、そのメモを見ていなければどんなことが書かれているかは分からないだろうし、本当にその会議での結論なり重要な言葉であれば記憶にあるかもしれないけれど、単にその記録者の言葉だけであれば本人以外には分からないことも多々あるだろうし。

今回東京ガスから膨大な資料が提供されて、それを精査しての百条委員会なんだろうけど、本来ならそれなりに時間をかけてこういったメモや公式の議事録や報告書などと比較して意思決定の流れを再構成しなきゃいけない。でも、どの様な基準で提供されたし資料なのかは分からないけれど、その情報の質や内容自体の信憑性の確認もしなきゃいけないし、今話し合われている内容は15年以上も前の話。当然人間の記憶に頼る部分はかなり不確かで有る事は確実で、そうなればなるほど、資料の流れを丁寧に追わないと実際の情報や意思決定の様子は分からないはず。それをやらずに、出所不明なメモに書かれた言葉にこだわるのは正しいのだろうか。

問題点としては二つあるはずで、一つは築地の移動に関して。豊洲かどうか別にして、それまで長い時間かけて築地に留まるのか移転するのかという判断や行動を繰り返して、結局築地での改修無理という事で移転を検討しはじめて、その候補地の一つとして豊洲も上がったはず。だから一つは豊洲に行く行かないとは別に、以下に築地からの移転を早期に実現するかという事。で、もう一つが紆余曲折あったけれど豊洲に決定したことに、何か不正なりが無いかという事。この二つは全く別のこと。今議論になっていることは後者のことばかりで、前者の話は全くされていない。何故かと個人的に勘ぐると、前者の話をし始めると、当然豊洲移転が有力候補になり、そうなると今問題になっていることも実は精査すると問題にはなり得ないという意見が出て、後者の話が鎮火してしまう可能性があるから取り上げないのでは。

メディアは余り取り上げないけれど、築地市場に関しては老朽化による危険性だけで無く、以前の土地履歴から土壌汚染の可能性も浮上してきているわけで、築地市場だから「安全・安心」という理由は崩れてきています。そんな中で新しいキーワード=触媒を投入することで、この問題を都議選まで延命させようとしている、と考えるのは穿った考えだろうか(笑)。でも、豊洲移転問題は別しても、築地市場問題は今すぐに解決しなけりゃいけない問題。それに対しての熱意なり姿勢が見えないところに、今の小池都政には不信感しか生まれ無い気がするなぁ。

0 件のコメント:

コメントを投稿