2016年10月28日

Lenovo-富士通、戦略的提携

Lenovoと富士通が、先日スクープされた両社のパソコン事業に関して、戦略的提携を進めていることを発表。まだ「戦略的提携の検討」なので、今後場合によっては決裂する可能性もあるけれど、まぁまとめ上げるんだろうなぁ。両者だけで無く、日本政策投資銀行とも財務・戦略面での支援も協議するという事なので、多分こちらの思惑が大きく影響するのでは無いだろうか。

世界のパソコン出荷台数は、大体2億7千万台位。富士通の世界シェアは1%未満ということなので、多くても250万台くらいか。一方日本国内の出荷台数は1千万台位で、富士通の国内シェアが20%弱だから国内で200万台位販売しているから、そうなると日本以外での出荷台数は数十万台程度だから、殆どビジネスにはならないのでは、と余計な心配をしてしまいます。で、そんな状況を前提にして気になるのがプレスリリースの中で言われている、

「グローバル市場に向けたPCの研究・開発・設計・製造に関する戦略的な提携」

と言っていること。今後拡大が見込めない国内市場よりも、多分成長が見込める海外の新興市場、多分日本企業も多くでている東南アジア等を念頭に置いているんでしょうね。でも、それって多分Lenovoの主戦場でも有り、NECPCもそうだろうから、その当たりのバランスはどうするんだろうか。まぁ、NECPC/富士通の場合は、殆どが国内企業の出先相手だろうから、そう言う意味では三社でも競合は余り無いのかもしれない。

かつては世界をリードした日本のPCメーカーが、どんどん変わっていくことは正直寂しいですよね。パソコンの黎明期から現在まで同じタイムラインを経験しているし、何とか国内メーカーには頑張って欲しいけれど、正直「パソコン」というデバイスが成熟期から終焉期に向かいつつあることも事実。その中で今のビジネスを継続しつつ、次の手を考えるために大同団結するのも一つの手ではありますよね。自動車業界だって、昔は系列でがっちり固まっていたけれど、最近ではコストダウンのために系列を超えて下請けや部品メーカーは製品提供をしているし、結局コストダウンを考えるとそうやってボリュームを出さないと無理なんですよね。

それにパソコンに関して言えば、これまではOSメーカーだったMicrosoftですら、Surfaceを出してきているし、今回はAll-in-Oneのデスクトップ機まで出してきていて、ますますPCメーカーは競争が厳しくなってきます。その中では、こういう大同団結が必要なんでしょうね。いずれにしても、まだ「検討」段階だから、今後改称される可能性もあるわけで、まずはちゃんとした内容が分かるまでは様子見でしょうね。

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