中国でブームになりつつある、日本式のスーパー銭湯の記事。確か一号店のオープン前の様子を「ガイアの夜明け」でも放送されていたと思うけれど、記事にもあるように硬水を軟水に変える装置を導入したり、日本式を徹底するために従業員からまず意識改革をするなど、かなり日本式教育を徹底していて、それがどうなるかと思ったんですが、結果的にそれが成功の要因になったようですね。
中国からの訪日客も倍々ゲームで増加し、日本の物も以前よりは多く中国国内に入るようになり、日本文化、日本方式に馴染みが出来ていることも事実ですけれど、このスーパー銭湯が成功している一員は「気持ち良い」という意識が彼らの中にも生まれてきたからじゃ無いかと。例えば少し前に話題になった「爆買い」ですけど、これは一度買い物してしまえばある程度欲求は満足される物。昔の日本でブームになったブランド物では無く、一般消費財も多いので、購入してもそのうちに消費されてまた買い物に来る可能性はあるけれど、物欲ってやはりいつまでも続ものでは無いもの。それに対して、経験とか気持ちに訴える物って、それをそのまま保存しておくことは出来ませんからね。逆に記憶に残れば残るほど、もう一度経験したい体験したい見たい気持ちがつのるもの。そう言う場として、これまで中国には無かった存在として付加価値が認識されてるんでしょうね。
以前やはり「ガイアの夜明け」で、「俺の○○」の中国進出の話題がありました。ただ、あのお店のビジネスモデルである、立ち食いで客数を多くして、かつ回転率を上げるというスキームが、中国では通用しない。まず立ち食いの週間が無く座る形式で無いと入店してくれない。また、座って食べ始めるといつまでも席を占領するという常識。日本人だと、料理のコスパの良さとのトレードオフという理解をしてくれるけれど、中国人にとってはそう言う認識は無いから、サービスの悪い使い勝手の悪いお店という理解になってしまう。あの放送は結構以前のカイダッタト思うので、今はどうなっているか分からないけれど、多分撤退しているかも。仮に、もし私が当事者の立場だったら、立ち食いがダメなら背の高いストールのような椅子席にして、かつテーブルも小さめの2~3人で使うようなものにして、どんどんお皿が回転するようにしてみるだろうなぁ。そこでは「気持ちの良さ」というイメージを転換させないといけないわけです。そこは、そのまま経験して気持ちの良いスーパー銭湯と、これまでのスタイルを変更することで気持ちよさを感じる俺の○○式レストランとの差なんでしょうね。
そう言う形で中国に進出できる「気持ちよさ」って、さて日本の中に幾つあるだろうか。結構難しい気がします。スーパーとかの物流だと現地の人の嗜好もあるだろうし、宅配便なんかも流通網が心配。ただ、そういうところを苦労して改善して整備出来れば、かなりの武器になるのも事実。それだけ踏ん張れる覚悟と度胸があるかですよね。今回のスーパー銭湯の社長も、そう言う気持ちがあったから進出して成功していったと言えるかも。でも、次の問題は現地での劣化コピー誕生だけれど、それに比較できないような高品質さを提供し続けられるかどうかが肝なんでしょうね。
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