2016年8月9日

オリンピックとイチロー

金メダルの大量獲得を予想していた柔道が篩わず、期待の体操も団体戦でまさかの四位通貨と不安いっぱいだったのが、今朝の時点で男子柔道も金メダルを獲得し、体操も逆転して団体で優勝。やっと本来の調子を取り戻しつつある感じの、リオオリンピック。一方でMLBのイチローも、本拠地での3000本安打達成が出来ず、敵地でもなかなかヒットが生まれずヤキモキしたのが、やっとロッキーズ戦で三塁打を放ち、MLBでの3000本安打を達成。これで安打数のMLB上位30人に入り、引退後の野球の殿堂入りをほぼ確実にしたと言って良いのでは。リオオリンピック・パラリンピックの応援CMで「イチローが嫌いだ」シリーズがありますが、奇しくも3000本安打達成とオリンピックが重なったのは、ある意味奇跡かも。

オリンピック・パラリンピックという、4年に一回の大舞台で結果を出す選手達と、MLBで16年間、ほぼ毎年のようにMLBの記録に残る活躍をし続けるイチローを比較するのはどうかと思うけれど、だから取ってCMが訴求していることが霞むわけじゃ無い。ただ、ここ一番での瞬発力と何年も継続する持続力は、分けて考えた方が良いような気がしますね。オリンピック・パラリンピックと対比させるなら、例えばダルビッシュ投手や田中投手が、完全試合をしたとか完封試合を何試合も続けて達成して一躍MLBの最優秀投手になった、というならまだ比較できるかもしれない。あるいは、イチローと比較するのであれば、霊長類最強の吉田沙保里選手が、今大会でも無敵の強さで勝ち残ったら合い相応しいかもしれない。どちらも、どの選手も偉大で尊敬すべきではあるけれど、でも「どこが」という点ではそれぞれ別の事柄として理解して認識していく必要があるのでは。

日本人的には継続していくことは特異な方だと思うのだけれど、問題はその継続している間ずっと世界でトップクラスの力を出し続けていけるかというのが課題。逆に瞬発力では、特にスポーツの世界では筋力とかでは外国人選手に劣る部分があり、なかなか日本人で圧倒出来るような存在という選手は生まれてきません。それでも、最近の国際大会なんかを見ていると、これまで低迷していたスポーツで活躍する選手が生まれてきたり、日本人的で無い体力や体格をした選手が登場してきたりと、ちょっと時代の潮目が変わりつつある感じもします。次の2020年東京オリンピック・パラリンピックでは、地の利という有利さが日本チームには生まれるわけで、それを生かすためにも今から次の世代選手を育成しないと、なかなかスポーツの殻を破ることは出来ないでしょう。それって、柔道とか水泳とか体操とか、メダルの可能性が高い種目が中心になるのはある意味仕方ないけれど、その種目の頂上が高くなればなるほど、他の種目への波及効果も期待出来るわけで、そう言う相乗効果を是非生むような仕組みを作って欲しいですよね。

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