2016年6月28日

矛盾を引き受ける

一寸前に聞いて不思議に思った記事。自衛隊は違憲だけれど利用はするという志位氏の発言に対して、共産党のPR Twitterの中の人が

「自衛隊をなくすには国民合意が必要。その合意ができるまで、違憲状態の矛盾を引き受けるということです」

「矛盾を引き受ける」とはどう言う意味なんだろうか。「矛盾を容認する」という意味なんだろうか。だったら、無くす必要は無いわけですよね。仮に違憲状態を速やかに是正せずに、何らかの対応策でそれを保管することが「引き受ける」のであれば、今彼らが声高に主張している「立憲主義」と矛盾しないのだろうか。と言うか、それが本来のスタイルなわけだから、今の与党が緩衝的な法案として安全保障法を準備して適用することも、それと同じでは? 自分達がやれば「立憲主義」で、相手がやれば「立憲無視」というようなご都合主義はどうだろうか。

さらに、日本記者クラブ主催の党首討論で、

「いま問われているのは自衛隊をなくすかどうかじゃない。自衛隊を海外の戦場に出していいのか(だ)」

と言ったらしいけれど、こっちの方がまだまともな意見だと思うけれど、でも自衛隊を違憲と言っている人が自衛隊に関して条件付けで賛成したり反対したりするのは変じゃないの? いつも疑問に思うのが、彼らは自衛隊を否定して別の組織を作ると言っています。中国共産党は人民解放軍を持っていて、それが実質的に中国国軍として機能しているわけだけれど、日本共産党もそれを目指すのだろうか。更にこの党首討論の中で、

「たとえば北朝鮮の問題がある、中国の問題もあります。この乱暴な振る舞いに私たちも強く抗議しています。しかし、軍事挑発をやったことに対して、日本の側も軍事で対応するということをやりますと、この地域の軍事対軍事の緊張関係をエスカレートするだけじゃないかと思います。」

と、今の北朝鮮や中国が日本に対してあるいは世界に対して「軍事挑発」行為をしていることを認めているのに、その当事者に対しての抗議を彼らはどの程度やっているのだろうか。精々メディアで抗議するとか言ってお終いでしょ? 「日本側も軍事で対応する」と言っているけれど、相手の行為が直接力で進めているのに対して、日本はまだ国外に戦力を投入しているわけでも無く、その為の法整備をしている段階。エスカレートと言うけれど、現状を見ると北朝鮮、中国が一方的に自らステージを上げているだけで、だから周辺国も心配しているわけですよね。正直なところ、同じ「共産党」を名乗るなら、少しは仕事をして見せろよと言いたいところだけれど、でも確か中国共産党と日本共産党って、中が悪かったんじゃ無かったかな。仮に良好な関係があったとしても、余りに立場が違いすぎて言う事も出来ないだろうけど。これも「矛盾を引き受け」ている結果なんだろうか。その割には、こういうちらっと本音を出しちゃうところが、まだまだ修行が足りないと言う事なんだろうなぁ。

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