先日開催された、経営再建中のシャープの株主総会。その前に台湾でシャープの人員削減が言われるなど、かなりマイナス材料が出ていて、それもあって荒れた内容となったみたい。まぁ、鴻海に買収されて、何もしなくてシャープの経営が効率化される部分を考えると、鴻海の部品調達力と製造能力を生かしたコストダウンくらいしか無いだろうから、当然人員の削減に販売網の統合、さらには製品の絞り込みなんて言うのが行われるのはある意味常識。事前の買収交渉の時には、産業再生機構の条件よりもかなり甘いというかほとんど無条件で買収するような「美味しい提案」でありましたが、そこはビジネス、一度契約してしまえばこっちのものというのは、シャープ側も予想していただろうけど、仮にそうで無かったら余りに楽天的すぎて責任追及する気力も無くなるくらい。
今回の日本側の株主総会で、取りあえず鴻海による買収が承認されて、これで本格的にシャープの経営再建が始まるわけですが、やはり中の人にとっては何の事業が継続されて、何の事業や製品が切り捨てられるのか、自分達の首に直結するだけに戦々恐々でしょう。もっとも、多分どこの会社も同じだと思うけれど、多少なりとも自分の技術やスキルに自信がある人は、もう外に出ているんだろうけど。まぁ、中には勘違いして外に出てしまった困る人も結構多いんですけどね。
日本のマーケットの中で「家電」と言われているもの自体がどんどん変質していって、昔のこう言う大手企業が製造販売する「家電」って一寸ずつ視点がずれているような気がします。一方で、ニトリとかアイリスオーヤマとか、これまで家電製品とは関係無かった量販店でも、OEM/ODMを利用して自社ブランドの製品を販売するようになり、こちらが事実上「今の家電」になりつつある感じ。そういう意味で、鴻海としては、安かろうそれなりの「今の家電」にシャープの経験と技術を入れ込んで、より付加価値が高い「今の家電New」みたいなものを、クライアントに売り込みたいんでしょうね。EMSで、安く製造委託を受けているだけでは、どうしても利益が上がらないし、薄利多売方式だとどうしても人海戦術になり、これからのコストアップに対応出来ないし。そこに、付加価値の高い、つまり利益幅の大きい製品投入することで、会社としての効率化を狙いたいというのが正直なところでしょうね。だから、必ずしもシャープにとって欲している製品が残るとは限らないかも。
今、10年位前に購入したシャープの液晶テレビが、かなり前から画面に黒いシミが出るようになり、ずつと買い換えようと思っていました。最近は、40~50インチクラスの4Kテレビの値段も落ち着いて来たので、この夏には買い換えようなと思っているんですが(オリンピック特売があるだろうから)、それをもって私のシャープ製品も終わりになるかな。
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