2016年3月2日

外国人に優しい日本

昨日の朝、いつものようにCX系の「めざましテレビ」を見ていたところ、番組の中の話題コーナーで、外国人訪日観光客を増やすために、外国人観光客が日本の街中の何に不便を感じているか、と言うような特集をしていました。登場した順番で書くと、

  1. 通りに名前がついていない・表示されていないので、自分がどこにいるか分からない
  2. 街中の案内板それなりに準備されているが、手元の地図は上が北で記載されているのに、案内板はその場所からみた方向が上になるので、地図の記載と合わない場合があり混乱する
  3. 道路名表記が、単純に日本語読みをローマ字表記しているだけなので、何の名前なのか分からない
    (例: 「明治通り」→"Meiji dori"、"Meiji St."とか"Meiji dori St."でないと分からない)
  4. 直ぐにアクセス出来るWi-Fiが無い
と言う内容でした。まあ、どれもこれまでも聞いた無いようですよね。

1番目のアドレス名に関しては、少なくともアメリカでは通りの名前、あるいは交差する通りの名前の組合せが、日本で言うところの「何々町何丁目」に相当するから、アドレッシング方法からして違うわけですよね。日本のように何々町何丁目というピンポイントでエリアを指定する方法の方が我々は分かりやすい。仮に全ての通りに名前を付けるとすると、逆に日本人が聞いたことの無い名前にビックリするんじゃ無いかと。既にある通り・道路の名前や、例えば「何々商店街通り」みたいな既存の名称を使うのは良いと思うけれど、それだってアメリカの場合は大きな道の東西・南北で"North xxx"/"South xxx"みたいな言い方もしますしね。これは日本のアドレス方法をまず理解して貰い、その上で後で書くような分かりやすい情報提供を考えるべきじゃ無いかと思うわけです。

2番目も1番目と関係しますが、こう言う案内板って、アメリカなんかだと直ぐに落書きされたら壊されるから無いんですよね。だから日本の案内板は、日本人にも便利だけれど観光客にも有効だと思う。で、確かに北が上で統一される地図との比較では不便だけれど、それだってちゃんと北の方向を案内板上に示せば良いだけの話だと思います。それで、地図をひっくり返せば一致するわけだし。個人的には、知らない場所でいきなり方角を理解するのは結構大本だと思う。昼間は太陽の一度大体南方向は分かるから、そこから類推できるけれど、都会のビルの中だと結構分かりづらいのでは。その時に、自分の立っている場所からの視線に合わせた地図がある方が、自分がこれからどこに進むか理解しやすい気がする。問題なのは、案内板が必ず北を上にして書いているとは限らないことでは無く、手元の地図と比較したときに方向が一致していない、ということなんですから。

3番目の表記名に関しては、最初にも書いたようにアメリカだと"Ave."/"Str."/"Blvd."と道の大きさによっても呼び名が変わって、その通り沿いのどこと言うアドレスの仕方をするから通りの名前が重要だけれど、日本の場合はそうじゃ無い。それに、日本語で「めいじどおり」と言った場合、外国人は"Meiji-dori"という地名だと理解するだろうけど、変に気を遣って"Meiji Street"とか言うと、それが同じ場所だと理解出来ないかもしれない。まぁ、そういう意味では日本語的には二重の意味になるけれど「"Meiji-dori" Street」という書き方が一番誤解や混乱が無いかも。ただ、元々日本の地名は通りの名前を組み合わせた二次元座標的な表記では無く、そのエリアの名前を使用するピンポイント方式な分けだから、それをちゃんと理解して貰う方が混乱が無いと思う。更に、アメリカ場合は「何番目通り」と言うと、必ず昇順・降順に通りが並ぶけれど、日本の場合は「何丁目」と言っても入り組んでたりして、その番号が連番で参照できる保証がありません。だから、下手にそういう連続性を期待させるよりは、「何々町何丁目」というアドレス方式を理解してもらうほうが楽では。特に、東京とか大阪などの大都市ならまだしも、一寸地方に行けばそんなに細かく対応は出来ないわけですし。

で、結局はどれだけ情報提供が出来るかという話で、4番目の話が一番重要になります。日本も、以前と比べると結構Wi-Fiが整備されてきたけれど、確かにまだまだ物足りなさはありますよね。あと、モールとか公共施設単位でアクセス出来るけれど、その度にIDや名前等を入力しないといけない手間とか。出来れば日本人にも広げて欲しいけれど、訪日が行く仁ならWi-Fiの提供キャリアーを跨いでシームレスに利用出来る、グローバルIDみたいなものを空港などで発行するとか、そういう対応が必要かも。空港カウンターでパスポートを登録すると、そのパスポートに紐付けされたIDが発行されて、以後そのIDを利用すればどこのキャリアーのWi-Fiでも利用できる。で、出国審査で国外に出たら、そのIDは抹消される、と。4Gを使ええるSIMを配るという手もあるけれど、やはりSIMを交換する手間とか考えると大変そう。で、そういう外国人観光客向けの共通ネットワークインフラが出来れば、後はその上で地図情報と位置情報を提供するサービスをやれば、いちいち案内板を書き換えたり、道路名を新たに付けるなどの作業をしなくても良いと思うんですよね。地方創生も兼ねて、外国人観光客の増えそうな場所には、そういう情報の基本的なデータを国が提供し、後はその地方でやる気があれば補助して上げる。情報が豊かな場所には、自然と外国人観光客も集まるはずですし、訪問客からの情報発信が増えれば、更に次の訪問客を生み出すわけですし。

そういうインフラが出来れば、日本人の国内回遊の機会も増えるんじゃ無いかと。更に、そのインフラの移動手段として、国内の電子マネーや鉄道・飛行機のオンライン予約機能もリンクさせれば、ユーザーの利便性も高まるし、サービス提供側としても情報蓄積出来るし。2020年には、そういうインフラが稼働していて欲しい。

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