2016年2月5日

口利きと陳情の境界線

甘利元大臣の口利き疑惑に続き、遠藤五輪相にも口利き疑惑が。この話が最初出てきたときに思ったのが、じゃぁ「陳情」はどうなんだ、ということ。と言うか、今の議員選挙は自分の出身地から出馬する議員も多いし、仮に全国区選出であっても、自分の出身地とか地元からの要求・要望も多いわけで、そういう地域からもそうだし、何かの組織代表ならばその組織からの要望もあるだろうし、そうなるとそれらの「陳情」に対して有利な働きかけをした場合、当然それら地元あるいは組織からの献金もあるだろうし、それらは「口利き」にならないのだろうか。

「陳情」の場合は、特定の企業や団体への利益誘導というよりは、例えば道路を作るとか何かの施設を誘致するとか、より広い範囲に対しての誘導になるから、まだ許されているのかもしれないけれど、結局道路工事が決まれば、そこに入札する企業に利益が入れば、間接的な「口利き」とも言えるだろうし。そういう何かを作る陳情ではなく、何かの法律や規制緩和の場合であっても、それによって利益を得る人があれば、それもさらに間接的な口利きみたいなことにもなるだろうし。

今回の甘利氏の事件の場合、相手側にどうも最初から填めようという意図みたいなものが感じられるので一寸特殊な気がするけれど、政治家がお金を集めるのは日々の議員活動の為で有り、それが最終的に選挙の時の一票に繋がるからなんですが、パチンコの三店方式みたいな怪しさを感じますよね。アメリカのように、献金が明確になるような仕組みを入れるとか、やはりアメリカの選挙のように候補を全国的にシャッフルして地元との癒着が生まれないようにするとか。

個人・企業献金が諸悪の根源と共産党は言っているんですが、それも一理あります。ただ、それを禁止すると税金から支出しないと行けなくなるわけで、それはそれで総額的には決して少なくない金額になりそう。ふと思ったんですが、「故郷納税」のもじりで「議員納税」みたいな事をしたらどうだろうか。見返りは、議員納税したら、その何割かを減税するようにして。あるいは、その議員の選挙区の名産品を渡しても良いだろうし。そうなると、全国区議員の方が品揃えが良くなって人気になり、議員納税額は多くなるかも。自分の資産を使用する場合も、自分で自分へ議員納税する形にすれば、総額も把握出来るし怪しいお金の移動も無くなるのでは。議員主催のパーティーも、議員献金の返納品に「パーティー券」を入れておいて、それを貰うようにするとか。「納税」だから上限は設けなくて良いけれど、余りに特定企業から「納税」が大きいとか直ぐに分かるし、企業側も申告するわけだから、そこである程度の自制機能が働くんじゃないだろうか。収入が明確になれば、後は議員責任で支出は厳密に1円単位で明記させれば、もう少し透明性が増すんじゃ無いだろうか。

この話題に関連して、産経新聞で宮家邦彦氏がコラムでも取り上げていますが、国や地域によって事情は異なるものの、やはりお金と政治家活動は完全に切り離すことは出来ないのは同じ。で、宮家氏の最後の結論も「口利きを禁止するよりは、政治資金の透明性を高めることが必要」と、私みたいな素人が考えることと同じようで、やはり「お金はしっかり明確にする」というのは、政治以外でも日々の生活の中でも必要な事ですからね。

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