2016年1月28日

羮に懲りて膾を吹く

民主党は嫌いだけど、民主主義は守りたい」、と言うコピーが書かれた民主党の新ポスター。最初聞いた時には、キンタロー。の「私のことは嫌いになっても、AKBは〇×△■...」みたいなネタだなぁと感じたのは私だけ? で、その意味不明なコピーに続く言葉が、「そんなあなたへ。すぐに信じなくてもいい。野党として、止める役割をやらせてください」。このサブコピーもダメダメだなと思うのが、まず最初に「直ぐに信じなくても良い」と相手を否定していて、さらに「野党として」と自分達のやる気の無さを強調していること。

直ぐに信じて貰えないのであれば、何で少しでも早く信用して貰えるようなことをやらないのだろうか。別に多数を握る与党の法案をひっくり返さなくたって、ちゃんとやるべき事をやれば良いだけの話しなのに、やっていることは乱闘騒ぎだったり、国会欠席だったりと、国民の目から見たら単なる我が儘な行動ばかり。さらに「野党として」と言うけれど、今現在既に野党なんだから、別に今でも出来るはず。そして、野党として出来る事も幾らでもあるはず。少なくとも今でも野党第一党の勢力があるわけだし、思い出したくも無いけれど数年前は与党賭して政権を運営していたわけだから、それなりの意見なり政策を提案して良くしていく仕事は出来るはずでしょ?

民主党に限らず、多くの野党がダメだなと思うのが「止める役割」しか考えていないこと。結局与党のやることは全て気にくわない、廃案だ、反対だ、としか言ってない。確かに否定すべき事もあるかもしれないけれど、ちゃんと直すべきところは直す、制限すべき事は制限することで、100%ではなくても60%、70%の意味のある法案になる事だってあるはず。そう言うことが出来る、やる気持ちのあるのが「野党」であり、そうで無く何でもかんでも反対というのは単なる邪魔者でしかない。だから彼らから出てくる言葉は全て、今あるもの、今やっているものを「止める」「やめる」「廃止する」という言葉ばかり。原発問題と同じで、停止させるのは簡単。問題なのは、その止めたことで減った電力をどうするかと言う事。太陽光発電で代用するというのは一つのアイデアだけれど、じゃぁ安定供給はどうするのか? 火力発電所を増設するのは良いけれど、その分燃料輸入が増加して電気代アップしても問題無いのか? 社会保障費、消費税、幾らでも同様のテーマはあるのだけれど、それに対しての対案なり対策なりを主張して、そこから最大公約数をどう導くのかが、政党の仕事なのでは。

少し前には共産党が野党共闘を持ち出せば、「検討に値する」とか言っておきながら、実際には考え方の違いが大きすぎて無理だと言う。そんな、最初から答えが分かっているようなことに関しても、フラフラしているから信用されないと言う事をもっと真剣に考えないと。と言うか、最近の口利き問題も重要だけれど、ああいう時にしか存在感を見せられない、自らの政策能力の無さを先ず何とかしないと。相手が失策した時には生き生きして、でも直ぐに自分達にブーメランが還ってくるというお家芸をまず何とかしないと、民主党が好かれる時代は未来永劫来ないと思う。結局「羮に懲りて膾を吹く」なら、まだ冷まして口に入れようという気持ちが残っているだけでもましだと思うけれど、今の立場は「羮に懲りて手を出さない」という状況だと言う事を真面目に認識しないと。「SMAPの開催は困るけれど、民主党の開催は何の問題も無い」と言われるのと一緒ですよね。

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