2015年12月21日

メディアのご都合主義

先週話題になった「夫婦別姓」裁判の結果。個人的には、いずれか一方の姓に統一するか別姓にするかどちらかの「選択制」というのが最終的な落としどころかなと思うけれど。で、別姓賛成派の人やメディアがこぞって言っているのが「世界で同姓制をとっているのは(先進諸国で)日本だけ」という事。それはそれで事実だろうけど、集団的自衛権の時にも世界の先進諸国で集団的自衛権を認めていないのは日本だけだったのに、それに関しては何も言わないのね。まぁ、都合の良いときに都合の良い例を引っ張ってきて矛盾を感じないのは、アッチ系の人達の特徴だけれど。

ところで、日曜日のCX系で放送されている「ワイドナショー」でもこの話題が取り上げられて、中にゲストで登場した高校生の男の子のコメントが秀逸でした。スタジオゲストが一通り賛成・反対の意見を言った後、この高校生君が呼ばれて意見を聞かれると、コメンテーターの一人、弁護士の男性に確認するように、

高校生:「結婚する二人には選択権があるんですよね?」
弁護士:「そうです」
高校生:「じゃあ、生まれてきた子供の名字はどうなるんですか」
弁護士:「親が決めます」
高校生:「つまり、子供には選択権が無いんですよね」
弁護士:「...」

みたいなやり取りが交換されて、MCの松本人志氏はじめ全員が絶賛。私も思わず「鋭いなぁ」と感心。別の番組で、やはりこの話題を取り上げた特集を放送していたときに、実際に夫婦別姓のために事実婚をしている家庭を取り上げていて、このご家族には二人のお嬢さんがいらっしゃいました。で、確か上の女の子はお母さんの実子としてそのまま母方の姓を名乗り、次女は父親の養子になった形にして父親の姓を名乗っているとのこと。夫婦別姓裁判の原告の一人の女性は、確か出産する度に離婚と再婚を繰り返して、現行の夫婦制度を維持しつつ別姓を維持するような歪な方法をとっていたように報道されていたけれど、幾ら法律の壁があるにしても一寸歪だなと言う印象。

今の婚姻制度を、LGBTの人達にもどの様に開放するかという事も踏まえて、別姓の事も考えないと解決しそうな気がしませんね。それはそれで、またかなり厚い壁になりそうだけど。世界と同一になるのかどうかは別にして、日本人の気持ちとしてどうか、と言う事が一番重要な事だと思うけれど。

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