2015年10月6日

TPP大筋合意

ノーベル賞受賞と並んで、昨日のビッグニュースの一つである、TPP大筋合意のニュース。「大筋」という言葉にちょっと引っかかりを感じるんですが、正式に参加国で発表されているし、基本的にはこれから細部が決まるところもあるだろうけど、参加国間で関税等が無くなる自由貿易がスタートすることは確実なんでしょうね。

自分には、TPPに関して語るほど知識も経験も無いけれど、確実に言えるのは最近のビジネス同様「実力主義」の競争が国家間で始まると言う事でしょうね。自国が得意、あるいは自国で算出する資源はこれまで以上に有利に他国に輸出してビジネス出来るけれど、そうで無い産業や技術はどんどん他国から侵入されて衰退されていく、と言うのが大きな流れでしょうね。後者に関しては、もうその分野に見切りを付けて他の仕事に移るか、あるいはさらに良い商品を開発して価格競争力を付けるか、厳しい時代が来るのは確か。ただ、日本には頑張れば新しいステージに進むだけの技術、環境、資源はあると思うんですよね。後は、それらをどの様に利用して努力するか。と言うだけなら簡単なんだけど。

例えばお米の問題にしても、昔は米なんて食べなかったアメリカでいつの間にか良質のお米が、それも日本人くらいしか食べないような中粒米が大規模に栽培されて、それなりの品質で生産できるようになっているわけです。大規模農業とか元々あった機械化という有利さはあっただろうけど、やはりそこは工夫と努力があったはず。その分日本の米農家も頑張らないと、結局はTPPが無くても衰退していったでしょうね。最近の産業を見れば明らかなように、効率化というのは重要なわけで、その為には大規模化や情報共有といったことを進めないとダメ。それが、昔だと物理的に一箇所に州訳さないと出来なかったわけだけど、今の時代ならITインフラを利用して物理的には分散していても、仮想的に一つの組織・会社として活動することが可能なわけです。そう言う方法というかスキーム作りをすることで、日本の農業やその他の中小企業にも、今まで以上に活路が生まれるんじゃ無いだろうか。例えば、今のままでは日本の中で衰退していくような技術だって、海外に出て行くことで成功して生き残ることも可能だろうし。

勿論、100%のメリット何て有り得ないし、精々良くても60%位でしょう。その残り40%をどう手当てするかも大切だけれど、そこに視点が集まっては前進は無いわけで、メリット・デメリットを客観的に判断しつつ、どれだけメリットを大きくしてデメリットを最少化するのかと言う話を先ずしないと。日本人って、国内だと山間部を開拓したり、寒冷地に出かけたりと結構努力するんだけど、海外では中々そう言うことをやりたがらない気がします。勿論、ハワイとか南米とかに昔移民して今では成功している人が沢山いるから、決して出来ない事じゃ無いと思うけれど、移民がブームとなった100年くらい前の熱意って、その後はほとんど無くなったような。最近でこそ、東南アジアなどで出かけて起業する若い世代も出始めたけれど、もっとそういう人がもっと色々な場所に出て行っても良いはず。韓国とか中国に関して一つだけ良い点を上げるとすると、理由はどうあれ彼らは躊躇することも無くどんどん出かけていきますからね。あのバイタリティは日本人が見習うべき数少ない資質の一つだと思う。

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