2015年8月17日

戦争を始める理由

安倍談話に関してはいろいろと意見やコメントが出ていますが、個人的にちょっと新鮮というかやっと出たと思ったのが、談話の中で日本が太平洋戦争に走った理由が説明(解説?)されていたこと。8月15日は終戦記念日と言う事で、毎年大々的に追悼の集会や、戦争に対しての反省が表明されるのですが、戦争に負けたからそう言うことをしているような雰囲気をずっと感じていました。例えば日本は太平洋戦争以前にも、日清、日露戦争という戦いをしているわけですが、これらの戦争に関しては8月15日のように「反省」とか「お詫び」なんていう事を聞いたことがありません。日本が勝った戦争だからか、あるいはその後により大きな太平洋戦争があったから隠れているのか。

で、二つの戦いに勝ったから太平洋戦争にも走ったという理由もあるだろうけれど、当時の世界のバランスなど経済的な理由もあったことも事実で、それが全てでは無いけれど「なぜ日本は戦争を始めたのか、始めなければならなかったのか」というテーマって、あまり議論されていない気がします。「日本人が悪人だったから」と回りは言うのかもしれないけれど、石油利権の取り合いと言う側面もあったし、さらに突き詰めればなぜそう言う状況になったかというとABCD包囲網何て言うのも、歴史の授業で教わった記憶が。終戦記念日に「もう戦争はしません」という事は確かに大切だと思うけれど、其れ以前に「なぜ戦争が始まったのか」という事をもっと研究なりして、そう言う状況にならないように日本が努力する、それも日本に対してだけで無く回りに対しても力を貸していくと言う事が大切なのでは。

そう言う意味で、安倍談話の中で戦前の経済体制に関して触れて、それによる経済ブロックの圧力が日本を窮地に追い込み、それを利用してかやむにやまれずかははっきりしないけれど、日本に一線を越えされたという事を言ったことは画期的だったと思います。かなり端折った言い方だけれど、経済的に満たされて不満や不自由が無ければ人は争う理由も無いわけで、そう言う意味では一番の反戦活動は経済活動だと思うわけです。最もバブルの頃のように「狂乱」というレベルまで言ってしまうと、逆に変な競争というか新たな対立なんかも生まれるだろうから、「ほどほど」という事が大切だと思うけれど。動物の躾、子供の躾同様、叱って脅して恐怖で躾けるか、誉めて自分からやる気を出させるか、どちらが望ましいのかは議論の余地は無いと思います。

そう言う意味で、日本自体が戦後経済復興をして先ず自国の経済活動を立て直し、その後戦中の反戦から東南アジア諸国への経済援助を続けてきたことは、多分他国には無い「償い」だったと思いますよ。一時期「経済戦争」なんていう事も言われたけれど、相手の施設や人材を消費させて消耗戦で勝負を決める「戦争」よりも、より相手を発展させて成長させることで勝負が決まる「経済戦争」の方が、まだ良いのでは。大体「経済戦争」で戦う相手は、その相手国では無い、経済提供する国同士なわけですから、結果的に相手国には「経済の恩恵」が渡るわけですからね。

ビジネスの世界では、最終的な結果から逆にそれまでの功程やプロセスを遡って検証し、問題やトラブルの原因を究明して、次の製品などに反映して問題の再発を防ぐような方法がありますが、そう言う意味で、日本が本当に平和な国になる、平和な国にしたいのであれば、単に戦いを反省するだけでは無く、ちゃんと歴史を遡り顧みることが一番大切なのでは。昔「反省だけなら猿でも出来る」と言われたけれど、まさにそう。反省することも大切だけど、反省したのならば、ではなぜそうなったのか、何が原因で何が成功と失敗の分岐点だったのか、冷静に分析して再発を防ぐことが一番大切じゃないでしょうか。まぁ、自社の誤報に関しては未だに反省すらしない新聞社が伝える報道なんて、最初から信用されていないんだけど(えっ?)

0 件のコメント:

コメントを投稿