今国会の最重要課題と言ってもよい安全保障関連法案ですけど、報道される様子を見ていると何かこの記事にも書かれているようにピントがずれている感じしか受けません。以前のPKO等の法案審議の時もそうだけど、話しをする内容って結局自衛隊が安全かどうか、危険が存在するならその為にどこまで行くのか行かないのかと言う、なんか入口出口を前にしてはいるかどうか悩んでいるような印象。本来なら、その行動にどう言う意味があるのか、どう言う影響が日本に波及するのか、日本の取る対応によってどの様な事が回りに発生して、結果的にそれは日本にとって良いことなのか悪いことなのか、そう言う根本的な話しってこういう議論の時には先ず聞かれませんよね。持つとも、もっと身近な経済の話しであったりしても、下らない漢字の読み方テストをしたり、マーケットで販売されている金額当てをやらせたりと、以前からその程度はしれているけれど。
日々世界中と丁々発止の仕事をしていると、「リスク」という物は必ず存在する物で、基本的にはそのリスクを最少化して最大の効果・利益を目指す物なんですが、どうしても最少化できないリスクは必ず存在するし、場合によってはあえて最少化せずにリスクを取ってでも利益を確保しないといけない場合もあります。例えば将来に備えて未知の分野に新製品を投入するような場合とか、あえて利益は犠牲にしてもシェアを確保して市場を獲得するとか。今回の場合も、確かに現地に赴く自衛隊員の安瀬確保は重要な課題ではあるけれど、例えばその為に武器や防御兵器を使用してリスク低減しようとすると「武器使用は限定的であるべきだ」とか「過剰防衛」みたいな、リスクを増大させる話しになっちゃうんですよね。
で、もっと問題なのは「リスクのあるところに出かけるからリスクが生まれる。だから出なければよい」という方向に話しが向かうこと。確かに火中の栗をわざわざ拾う必要が無い場合も有るけれど、だからといって何もしないというのは一番のリスクでは。外に出ると交通事故が怖いと言って出かけないことが、果たして幸せだろうか。オレオレ詐欺が怖いから人を信用できないとか、考え出したら切りが無い。
さらに言えば、「日本の軍国化」とか言う人も居るわけですけど、今の日本が武力を増加させて他国に侵攻するという「戦争をする」話は、ほぼ100%無いと言って良いんじゃ無いだろうか。昔は資源確保のために南方進出したわけですが、現在では国際貿易が確立しているし、仮に武力で侵攻しようとしても、東南アジアや中東の国々だって戦力を充実させている現在、なかなか昔のように一気に進行して行くことは出来ないだろうし。それよりも最近の中国などに見られる、「戦争を仕掛けられる」話の方が可能性は高いように思います。実際南沙諸島では一触即発に近い状態まで中国が緊張感を高めているわけだし。日本は先の大戦の反省から「戦争放棄」という事を言っていて、その理念は素晴らしいと思うけれど、その前提となる日本以外の世界はみんな平和と言う考えは通用しないと言う事も肝に銘じないと。特に、隣のあの国とあの国に関しては。
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