2015年2月12日

「イスラム国」表記を止めないメディア

政府関連の発表では「ISIL」と呼び、イスラム教関係団体や現地各国からも、誤解を招く「イスラム」という呼び名は止めて欲しいと言われているのに、未だに多くのメディアは「イスラム国」(括弧付き)という表記や、呼び名を止めない。最近では、流石に単に「イスラム国」という頭に、「過激派集団」とか「武装勢力」みたいな枕詞を付けて入るけれど、でも「イスラム国」という呼び名は変わらない。何で彼らは変えないんだろうか。「ISIL(アイエスアイエル)」では、視聴者や読者が分からないと思っている? でも、使わなきゃ浸透しないですよね、言葉は。

これって「従軍慰安婦」という当時はない言葉を作り、それをそのまま元からある言葉として延々と使用しているのと同じ臭いがします。つまりメディアの面子に掛けて、一度使い始めた言葉は相当な理由があっても引っ込められないと言うような「面子」。大体、どこの国からも承認されず、かつ「国」としての機能を維持し運営しているかどうかも怪しい集団を「国」と呼ぶことに矛盾を感じないのだろうか。確かに勢力としては大きな規模なんだろうけど、例えば今回の様に現体制に反対してその国内で反政府活動や独自の独立活動をしている集団は幾つもあるわけで、そう言う集団は「国」と呼ばないのは何故。彼らが、今回の様に「Islamic State」と自らを呼ばないから?

活字メディアでは「括弧書きをしているから実際の国名と混同される事は無い」みたいな事を言っている場面がありましたが、それって印刷媒体でしか確認できないことだし、それを引用する場合には「いすらむこく」と発音しなきゃいけないわけで、単に詭弁にしか聞こえない。これも「報道の自由」だとしたら、独りよがりなはた迷惑な「自由」だなと感じます。

0 件のコメント:

コメントを投稿