2014年12月8日

静かな週末

衆院選最初の週末は、例によって選挙カーで五月蠅くなるかなと思ったら、そんなことも無く、結局遠くでどこかの候補者の選挙カーらしき音が聞こえただけで静かな週末でした。解散直前では、300近い議席を有する与党が、減っても過半数維持できるだけの議席を確保できれば事実上の勝利みたいな報道が多かったけれど、いざ蓋を開けてみると予想外に与党側が攻勢で、自民党だけで300議席を超えようかと言う勢いとか。野党だけで無く、連立を組む公明党まで余りの自民党の躍進に逆にブレーキをかけ始めているという皮肉も。

週末には、各政党党首や代表者が揃っての討論会とか特集が組まれていて、お馴染みのメンバーがお馴染みの話をしていたけれど、対案どころか選挙の準備すらしていなかった野党側は、ただ与党に対して批判するだけ、反対するだけで、正直見ていて見苦しいとしか感じられない。唯一まともそうな共産党にしても、今回不満のはけ口として票が集まり、議席がもしかしたら倍増するかもと言う美味しい予想に気をよくしてか、盛んに威勢の良いことを言っていたけれど、でもここの党のいう事って結局は理想だけ、絵に描いた餅だけで、何も進歩が無いんですよね。まぁ、それは他の野党も同様で、増税けしからんと言いつつもじゃぁその対案はなにかと聞かれれば決まって「無駄を省き、必要なところにお金を回し、弱者を助ける」というお決まりのセリフ。その目標は正しいし、そうあるべきとは思うけれど、じゃぁその無駄の中で一番お金を使っている社会保障や国民保険をどうするかという話はしないし、議員数削減や歳費削減の話しもしないし。

円安に関しては、これは一政府でコントロールできるものでは無く、じゃぁ日銀が量的緩和をしなければ今よりも経済が良くなったかというとそうとも言い切れない以上、先ずはその現状に対して何が出来るか何が良いのかを考えて短期的なアクションプランを作り、それで凌いでいるうちに次のロングレンジのブランなりを準備しなくちゃいけないはず。それが全然見えない。幸いなことに、原油価格が下がっているから、輸入品が軒並み値上がりしているけれど、原油だけは余りその影響を受けていない印象。個人的には、円・ドルの為替は100円=US$1で、+/-10円位が限界かなと言う気がしますが、100円の頃を「極端な円高」と言っていた時代もありますからね。結局は、為替レートが幾らになれば日本に有利不利というのは難しい話しなわけで、問題なのは今回の様に急激に円安なり円高が進行して対策を取る間もなく影響が出始めること。もっとも、それも日本一国でなんとか出来る話では無いことがジレンマなわけですが。

ただ、US$1=70円台まで言った円高の影響と、いろいろな理由から、多くの企業は既に海外に進出しているわけで、それらの企業が国内に戻り以前のような雇用を生み出すことは、事実上無いと言う考えは必要なんじゃ無いかと。だから国内での雇用を増やすためには、新しいビジネス、新しい企業、新しい商品を生み出していかないと、国内の雇用は今後は増えないと思う。例えば円安で増加している、海外からの両後者向けの分野などはこれから雇用も増えるかもしれないので、例えばそう言う購買層向けのサービスや販売とかは有望なんじゃ無いだろうか。あるいは、円安で相対的に海外での価格は下げられるわけだから、これをチャンスとして海外に日本から打って出る高品質、高付加、高機能商品を生み出していくとか。一度それらの利便性や使い心地の良さを知ってしまえば、今後円高になって価格が上がっても、既に馴染みの商品として継続して販売出来る可能性も高いだろうし。円安を批判するのは良いけれど、それなら円高にする方法を示すべきだし、逆に円安を利用した前向きな政策を示すのが選挙戦だと思うけれど、結局はそんな話しは聞こえてこず静かな週末でしか無かったのが、今回の選挙を良く表していると思う。

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