2014年8月5日

匠産業

スタジオジブリの株主総会で発表された、ジブリの製作部門解体という話。新作の製作はされず、既存のコンテンツ管理をしていくという話で、ジブリファンには残念な話でしょうね。個人的には、実はジブリ作品って映画館では見たことが無くて、テレビで放送された作品についても、まともに全部見たことが無いと言う人だから、正直「ふーん」という印象。記事にも書かれているけれど、宮崎、高畑、という二人の巨匠に続く人材・作品が生まれなかったと言う事なんだろうけど、一作当たり50億円もかかるという製作費用と何年と言う制作年数がネックなんでしょうね。ジブリ作品といえども、毎回100億だとか200億だとかという成功作品が生まれるわけじゃ無いだろうし。

この記事を読んでいてふと思ったのが、技術としては凄い物を持っているけれど、それ故に大量生産とかコストダウンが出来ずに埋もれて消えていく日本の「匠の技」。中には、その技術を生かして新しい製品や新しい分野に進出していく匠も生まれているけれど、消えていく伝統的な技術も多いわけで、今の匠が引退・無くなると、そのままその技術も消えていくという状況が、何となく今回のジブリの発表に重なります。

巨額の制作費や宣伝費を掛けて大作を制作して、それを世界中で公開しさらに二次使用、三次使用で資金回収していくような、ハリウッド方式出すら当たり外れがあるわけで、それに近い様なビジネスモデルを以下に有名なジブリといえども継続していくのは厳しいでしょうね。作品に対するこだわり、映像品質に対するこだわりがあることは分かるけれど、国宝級の芸術作品を作っているわけでは無いですしね。ジブリの場合も、監督という匠が引退してしまうと、結局部分部分の技術(作画)は残っていても、それをまとめて一つの作品にするところが無いと駄目というのは、現代のビジネスにも同じような話がありますね。

ジブリ作品を見ていないので偉そうなことは言えないけれど、そんな私でも知っているトトロとかナウシカとか、そう言うキャラクタービジネスってどうだったんでしょう。結構人形とかフィギャーとか見た記憶はあるけれど、やはり作品重視で余りキャラクタービジネスには注力していなかったんだろうか。サンリオのキティちゃんとか、ディズニーのミッキーとか、アニメ作品は作品として、それを下支えする部分は重要ですよね。そういう部分を上手く運営できなかった会社としての責任はあるのかな。良い物を作り続けていけば世間が評価してくれる、というのは一昔前の認識で、やはり世間に売り込む努力、売れた商品(=キャラクター)を以下に膨らませてさらに利益を生む商品にしていくのか、そういうところを意識した運用をしないと、宝の持ち腐れで終わってしまうのが、厳しいけれど今の時代のルールですよね。

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