2014年7月21日

GPSを過信するな

倉敷で発生した女児誘拐事件。懸命な捜査の結果、女の子も無事に発見されて取りあえず事件は解決。この解決に重要な情報となったのが、今では一般的な機能になった「GPS」。地球を周回する位置情報衛星からの情報を元に、数メートルの精度で位置情報を特定する事が出来る機能なわけですが、これを逆手に取られる危険性もあるかなと。例えば、携帯の電源をOFFにしてしまえば位置情報は送ることが出来なくなりますから、それから移動すれば移動先を特的で機無くなります。あるいは、良く映画とかドラマで使われるけれど、わざと携帯の電源を入れて、それを別の場所に置く、別の車(例えば乗り合いバスとか)に置いておくとか、移動先を攪乱することも可能に。

あと、例えば地下とかビルの中とか、GPS情報が取得出来ない場所もありますから、そういう場所に潜伏されると、後は携帯の基地局情報で位置特定することになるから、結構誤差が考えられます。GPSで位置情報が送られてるから正確だと言う思い込みで、基地局情報での位置情報を誤解してしまうと、折角近くまで来ても的外れの場所を探索することになるかも。今回誘拐発生直後のニュース報道などで盛んにGPSでの位置情報の話題が報道されていましたけど、あれって帰って逆効果にならないか心配でした。情報として利用するにしても、そこにわざわざ触れずにある程度特定出来るまで、あるいはGPSが途切れて結果的に創作情報として使えなくなるまでは秘匿しておくのが良いような気がするんですけどね。

現在のGPSはアメリカの物で、後は中国の北斗とかロシアのGLONOSS等の位置情報サービスが提供されています。それぞれのシステム用に受信機側も対応しないといけないから、全てに対応するのはなかなか難しいし、それにどのシステムも軍事目的という点が大きいから、何かあったときに特に中国やロシアのシステムがこれまで通り機能するかは甚だ疑問。日本も準天頂衛星を実験的に運用しているけれど、少なくなくとも何かあったときに最低限の情報が提供されるような仕組みは準備しておかないと。先の東日本大震災の時には、自動車の位置情報を集約して寸断された道路の把握など重要な情報源になったわけで、今回の誘拐事件だけで無くこれからの社会基盤の一つとして、もっと信頼性と機能拡張を考えないといけないかも。特に子供や幼児、あるいは場合によって大人の場合にも、何かあったときにはSOSと位置情報を定期的に発信できるような小型の常に身につけていられるアクセサリーみたいな物が必要かも。そうなると、スパイ小説の世界ですけど、世の中がどんどんかわっているから仕方が無いかも。

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