2014年7月23日

チキンレース

マクドナルドのチキンナゲットが、上海の加工工場で消費期限を過ぎた鶏肉を混入させて作られていた事件。そのこと自体も問題だけど、その工場で作られていた加工品が、マクドナルドだけでなくKFCとかファミリーマートとか複数の企業で販売為ている商品にも波及して、一斉に同種の商品の購入先を中国の別の工場やタイの工場などに振り替えているらしいけれど、一度無くした信用はなかなか戻らないでしょうね。こういった食品か工場のトラブルは、日本の工場でも発生するわけで、残念だけど食品加工に関わる従業員の気持ち一つで、良くも悪くも変わります。ただ、今回の問題は、その従業員以前に会社としてコストを下げて利益を上げるために、違法的な方法で加工食品を製造して販売していたわけで、それってさらに悪質な行為です。

自分のOEM経験から言うと、作らせる側にすれば安くて良いものを要求するのに対して、作る側は出来るだけ要求仕様を満たしつつ、コストを下げて利益を上げることを目指します。だから、作り始めた時には問題無くても、そのうちに工場側でコストダウンを初めて、それが思わぬトラブルを起こすこともしばしば。自分が関わるのは電子回路なので、例えば配線パターンを一部省略為たり、薬のジェネリック薬品じゃ無いけれど部品を同等の安い物に入れ替えたりしてコストを下げたりするわけですが、パターンを省略した故に予想外のノイズや遅延が発生して後動作したり、入れ替えた部品の特性が性能や機能に影響したりしてフィールドトラブルになることもあります。食品加工の場合、やはり原材料のコストを押さえるために、色々工夫するんでしょうけど、価格の安いあるいはただで手に入るような材料を使い出すと今回の様に「見えない部分」で手を抜くことが始まります。今回の場合、熱も通すし衣の中の物だし分からないだろうし、健康被害も起こりにくいだろうという意識があってのことなんでしょうね。

今回、期限切れの鶏肉を使うと言う、多分外部からは分かりにくい所もあったけれど、例えば床に落ちた肉を使うとか、黴びたような肉を使うとか、外部からモニター為ていれば分かるようなところも見逃されていたのは問題でしょうね。以前有った冷凍餃子事件もそうだけど、現地工場や企業に委譲することも重要ですが、そんな中でも何処まで管理する化というのが、元の企業としてもジレンマを感じるところです。一までも手元で管理しないといけないと言う事は、元々のOEMという想定を外すものだし、コストもその分削減できる部分が減るわけですから。今回の上海の工場は、かなり色々な企業に商品を卸していたので、それなりに信頼性も高くてコストも安かったのだろうと思うけれど、もし買い入れる側のマクドナルドとかKFCとかが、コスト重視でそれ以外の部分が疎かになっていたとした、工場側だけで無く買い入れた企業側の責任も大きいと思いますね。その点は反省して欲しい。

それと、テレビの映像で黴びた(?)肉の塊を裁断している映像があったけれど、あれって付着しているカビや菌をクリーンルーム内に飛散させていることになりますよね。クリーンルームって、外からの異物・細菌の侵入を防ぐために、厳重な手続きをしているわけですが、逆に内部から外にも出ていかないわけで、ああいった感じで一旦室内に持ち込まれて異物は、ソまま室内に滞留して、もしかしたら知らない間に問題の無い材料に付着して、その後何かトラブルを起こす原因になるかも。室内も、空気の清浄化とか施設設備の清掃は実行するだろうから、それで洗浄されることもあるでしょうけど、でも元々想定していない種類や分量の異物が堂々と室内で処理されていたわけだから、そういう安全弁の許容量も超えている気がします。沿ったの方も怖いですよね、将来何があるか分からないし。この工場、米系食料品会社の現地子会社らしいけれど、米国ではこの騒動は発生していないのだろうか。もし米国でも日本のような販売中止とか言う騒動になったら、もっと凄い騒ぎになりそうな気がする。

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