2014年6月20日

Wi-Fiの役割

PCWatch、山田祥平氏のコラムから、4Gネットワークのバイパスとして利用されるWi-Fiについて。最近のスマホでは、まず100% Wi-Fiもサポートされているので、以前と比べてWi-Fiを利用する人は増えていることは確か。それに合わせて、アクセスポイントも増加しているけれど、場所的に駅とかデパートとかホテルとか、人の集まる場所に限定されているので、どうしてもアクセスが集中してしまい、セッションがとれても全然データが落ちてこないことも。昔のRed Carpet Club (現United Club)の11bとか11gのWi-Fiがまさにそれで、酷いときは最初のアクセス認証に10分位掛かることもありましたね。最近はそんなことも無く、スピードは遅いけれど、セッションが張れないことは無くなったように思います。

同様の事は、例えば新幹線のN700系でサービスされているWi-Fiとかも同様で、昔はVPN起動して社内ネットワークにアクセスしても使えるような状態だったのが、最近は普通にネットワークアクセスするのも大変なときがあります。特に、周りがスーツ姿のサラリーマン風の人で満員の時には、ほぼ全員がPC開いたり、タブレット使ったり、スマホを弄っていたりしますから。

Wi-Fi自体は、元々は有線ネットワークの配線の煩わしさを解消するために使われるようになったわけで、一つのAPでのユーザー数にしても精々数十人程度。実際にそんな人数がアクセスすると、WAN側が耐えられないことも多いわけで、コラムにも書かれているように、個人の自宅とか小規模な場所で使うには問題無いけれど、事業所とか不特定多数が集まる場所では、なかなか厳しいものがあります。そんな中で携帯キャリアーとしても、既存の4GネットワークがオーバーフローしないようにWi-Fiにオフロードするようにしているから、ますます混乱するような。

2020年のオリンピックを考えると、国内のWi-Fi網整備というのは重要だと思うんですよね。どうしたってキャリアーのローミングサービスは割高になるし、場合によっては周波数帯や形式の違いで利用出来ない事もあります。でも、Wi-Fiだったら世界共通で、認証さえされれば誰でも使える。理想は全国にWi-Fiのメッシュが作られることだけど、それが無理ならオリンピック会場と大都市周辺だけでもWi-Fiメッシュで覆うことは出来ないだろうか。例えば、地下鉄とかJRの車両の中に何百人もの乗客がいて、その人達が一斉にWi-Fiを使う場合はある程度諦めるとして、街中なりどこかの施設で一寸道順を調べたいとか、情報検索したいときに、ストレス無くアクセス出来るくらいのインフラは必要。それって、オリンピックの時だけで無く、海外からの観光客誘致の時だって、それを利用して情報を多言語で提供すれば、いちいち案内板なり標識を作らなくても良いわけですし。

ただ、それを携帯キャリアーに押しつけるのは酷な気もするわけで、ある程度半官半民の組織を作って全国的にインフラ整備出来ないだろうか。今の4Gが5Gになり、有線ネットワークよりも高速になり、さらに何処でもアクセスできるようになれば、家庭内Wi-Fiの置き換えになるかもしれません。でも、その場合でもトラフィックの問題は残るわけで、Wi-Fiのニーズは、まだまだ残ると思うんですよね。コラムの最後にも書かれているように、LTEかWi-Fiかではなく、ネットワークインフラとして、LTE、Wi-Fi、その他の方法も含めたBest Mixの方法を考えて欲しいですよね。ユーザーからすれば、LTEかWi-Fiかというのは関係無くて、ストレス無くデータアクセス出来ればどちらでも良いわけです。場合によっては、メールチェックなんかなら3Gでも良いくらい。それを、今はユーザーが切り替えて利用しているから不便に感じるわけで、そう言うネットワークを裏で最適に切り替えて、ネットワーク負荷と課金を最適化するようなツールが出来れば良いわけです。だから、今の環境でもやろうと思えば可能だと思うんですが...

スマホやタブレットを携帯するとき、Wi-Fiは混雑で使えない、LTEは容量を使い切ってしまう、だからEthernetでしかアセス出来ないから、外付けのドングルを携帯する、なんていう悪夢だけは何とか避けたい。

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