2013年11月29日

一票の重みと言うけれど

広島高裁岡山支部出だされた、7月の参議院選の一票の格差が違憲であり選挙は無効という判断。一人が持つ一票の「重さ」が等しくなるようにすべきという意見は分かるものの、じゃぁその一票が限りなく全国どこでも同じようにしてしまったら、それって地方斬りになるような気がするんだけど。

何故、これまで何度も裁判で違憲状態という判断が出ても改善できなかったか、この読売新聞の記事がとてもよく分かる気がします(参議院の場合)。現在の方法で行く限り、一番有権者数の少ない鳥取県に定員二人を当てはめると、多分今の参議院議員数の何倍もの定員を準備しないと都市部や大都市圏を抱える都道府県では格差が解消されないことになります。そうで無くても議員定数の削減が言われている時代、それは出来ないでしょう。となると、今の議員数を維持・削除して格差を平準化するためには、選挙区の統合をするしか無いわけで、例えば鳥取県は周りの島根県とか山口県等と合わせて「二人(3年ごとの選挙で1人ずつ交代)」ということになるかも。場合によっては、それで浮いた人数を東京とか大阪へ回すことも必要になるかもしれません。

それで何が起こるかというと、大都市圏での議員が増えるから、活動にしても情報にしてもそちら中心になることが想像されます。一つの案としては、道州制のような地域区分にして、そこに人口比で定員を分配するというのは比較的公平な提案のように思えます。でも、その場合だって、その地域の中で一番効率よく票を稼ぎやすい大都市圏なり人口密集地域中心に活動するだろうから、もしかしたらその地域の中の過疎地帯とか、ますます縁遠くなってしまうかも。例えば10億で橋を作るとなったら、100人の地域に作るよりは1万人の地域に作って、その利便性を実感して貰う方が「票」には繋がりますよね。

本当の意味で「国民一人が一票」とするなら、全国区だけにすれば良いわけだけど、その場合だってますます都市部中心の選挙に拍車が掛かるんじゃ無いだろうか。その議員の地元が、それなりの規模の都市であれば、そこを中心に広く票を集めると言う事も出来るかもしれないけれど、単にその県出身とか言うだけじゃ、もう駄目になりそう。そうなると、100人の山間部よりは、1万人の郊外の団地、10km四方に100人の地域よりは、100m四方に100人の地域重視になりますよね。議員数を増やすという方法以外では、どうしても選挙の重心が地方から都市部へシフトするようにしか思えないんですが。

「国民一人一人が等しく一票を持つ」という考えは原則だとは思うけれど、だからとって原理原則がいつも正しとは限らない気もします。例えば、一番有権者数が多い地域(北海道なの?)を「一人一票」のベースとして、それよりも少ない地域(鳥取?)には、格差倍率に応じて、投票権を水増ししてあげるとかどうだろう。3倍格差の地域には投票券をA/B/C三枚渡して、それぞれ一票とカウントして、3枚同一候補に入れても良いし、別々に三人に入れてもOK。写真の場合、「清き0.31票×3枚」で「清き(ほぼ)一票」になるわけだから、憲法違反にもならないだろうし(笑)。0.31票を1票にするんじゃなくて、1票を0.3票×3にしちゃう「デフレ方式」とでもいうべきか。「一人が3票も4票も持つのは差別だ」と言われるかもしれないけれど、それなら大都市圏でも1票を、最大3分割まで可能にするとかすれば良いわけだし。その場合には、分割1票=0.3票になるわけで。「一人一票」というのは、そう言う発想でもいいんじゃないの?


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