秋の園遊会で、山本太郎参議院議員が天皇陛下に直接直訴するような手紙を渡した事件。「天皇陛下の政治利用」という事以前に、この議員が勘違いしていると思うのは、戦前の天皇なら統帥権を持っていたから国の最高権力者という意味もあっただろうけど、現在の天皇陛下は「国民の象徴」であるから、何かを決めるとかいう事は出来ない存在。勿論、存在としては大きいから、何か一言お話されればその影響力は大きいとは思うけれど、そう言うことは極力避けられてきたこれまでの事を考えれば、精々園遊会で自分の体験をお話するくらいが限界で、具体的な文書を渡すような行為は、とくにそれが国会議員という立場で行うことが適切なのか考えるべき。「禁止されていないから」とその後のインタビューで話をしたみたいだけど、「禁止されていないから」とか「ルールとして設定されていない」から何でもやっていいのか?
というか、特別な権力に助力を請うというのは、自分達が否定してきた行為じゃ無いのか? まあ、任期満了まで色々な活動を実行して、それでも限界を感じて最後の最後の手段として直訴するなら、まだ分からないでも無いけれど、当選してやっと初めての国会開催中にもうGive-upしてどうするの。「いゃ、現地の悲惨さを直ぐにでも知って貰いたい」というかもしれないけれど、少なくとも天皇陛下は何度も被災地を訪問されているし、多分自分よりもよく分かっていらっしゃるはず。物見遊山で大島に行ってきたりしているよりは、遥かに色々とご理解されていると思うけどな。
今回は、初めての当選議員と言うことで園遊会に招待されていたんだと思うけれど、今後は園遊会での立場というか、立ち位置とか陛下との接触具合とか、かなり制限されるんじゃ無いだろうか。とばっちりを貰う形になった、他の当選議員達はいい迷惑ですよね。「なんとラベルを貼られても構わない」と開き直っているようだけど、それが有名人とはいえ一個人が行う行為と、国民の代表たる国会議員の立場で行うことの違いを先ず理解しなきゃ。国会議員として行動するということは、その背後に何千何万という国民の付託を持っている、それだけ大きな行為になるわけだから。まぁ、そう言う認識は無くて、これからもスタンドプレー、個人プレーで好きなことをやるんだろうけど。
他人に頼る前に、先ずは自分で汗をかいて出来る事をちゃんとやれ、というのが今回多くの人が感じている気持ちじゃ無いだろうか。大体「東京は放射脳で危ない」とか「安全のために海外移住を考えている」みたいな事を言っていた人間が、今「福島の原発作業員が心配」みたいな事を言っても、全く説得力が感じられないし。
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