2013年3月21日

アベノミクスという切っ掛け

急に春の暖かさがやって来て、唐突にお花見シーズンがスタートしたものだから、今朝のニュースではフライングで始まった各地のお花見ニュースばかり。その中でお約束のように取り上げられていたのが、景気回復の兆候として、お花見で飲み食いされているお酒や料理の質・価格が、去年よりもアップしているという話。確かに、一部業界や会社では、ベースアップの確約や労使交渉での満額回答など、ここ数年では無かったことが生まれていて、少しずつではあるけれどやっと出口への灯りが見えてきた感じです。これを「アベノミクス効果」という人があるんですが、でも景気回復の兆候と言う意味では、去年くらいから既にあったんですよね。

まだデフレの影響が厳しいと言われていて一年くらい前でも、そう言うくらいニュースの隅っこで、高級腕時計や高級外車が売れていると言うニュースがあったり、海外旅行なんかも当時の円高の影響もあったかもしれないけれど、結構好調でした。近場の韓国・中国が領土問題等で敬遠されて、逆に中距離・遠距離の海外にシフトしたというのもあるんだろうけど、でもデフレに苦しむというそれまでの状況から、デフレを楽しむ・利用するというモードに少し変化している兆しはあったように感じます。それが、3年半の民主党政治の閉塞感が無くなり、負け組だった安倍総理が再登板することになり、そこに何か復活劇の兆しと言うか、「何か」を感じた周りの期待感が現実的に転嫁していき、まぁ言ってみれば「空手形」みたいなものだけど、実際円安とか株価上昇という「指標アップ」を実現してきたわけですからね。

一月二月前位の、実質的にまだ何も政策なりが実行されていない頃から、そう言う経済指標の動きが合ったのは、やはり経済の実態としては其れ以前から上向いていたけれど、それを実感しようとする「生身」の人間の気持ちがまだ追いついていなかったからでは無いでしょうかねぇ。だから、「アベノミクス」という格好の切っ掛けで、そう言うものが表面に出るようになり、それがさらに物理経済に刺激を与えて上向き加速している、という、デフレの負のスパイラルが底を打って、正のスパイラルが生まれて伸びつつあるという感じ。

自分は経済に詳しい訳では無いけれど、感覚的に「市中で動き回るお金が増える=好景気」だと思っています。その為には、1つは個人個人の所得がアップして、購買力が高まることが一番ではあるけれど、でも多分多くの就業人口の給与が上がるのにはまだまだ時間が掛かると思います。ではどうするかというと、やはりこれまで不安とか将来のために使われずにため込まれていたお金が、市中に出てくることで有り、その為にはお花見のお酒・料理の品質アップもそうだし、これからだと新歓コンパで少しリッチなコースを頼むこともあるだろうし、さらにはG.W.では、ワンランク上のツアーに申し込む、なんて言うのも重要。そう言うことを「させる気持ち」にまずしていくことが、実際にお金が増えるだろう一年後二年後までのつなぎの仕事として重要ですよね。「アベノミクス」全てに賛成するわけでは無いけれど、これまで我慢してうずうずしていた「購買」という心の欲求を外に発散させる切っ掛けになったという意味では、凄く大きなターニングポイントになったと個人的には思っています。で、政治にしても仕事にしても、そう言う切っ掛け作りと言うのが、結構目立たないけれど重要な仕事じゃ無いかと感じています。それによって、そのプロジェクトが変な方向に行く場合もあるし、軌道修正出来る事もあるし、またチーム体制が良くもなるし悪くもなるわけですから。そう言う意味で、「アベノミクス」という言葉の登場については、凄く良かったんじゃ無いかと思っています。

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