2013年2月18日

数字の読み方

朝日新聞のこの記事。最初に見出しの「原発「やめる」7割超す 朝日新聞世論調査」を見たときに、「あれ、(自分の)予想以上に止める派が多いな」と思いつつ、記事のリンクをクリックして内容を見たら、グラフが掲載されて居るんですが、それを見て思わず「7割じゃないじゃん」と思わずツッコミ。グラフによれば、

  • すぐにやめる : 13%
  • 2030年以前にやめる : 24%
  • 2030年代にやめる : 22%
  • 2030年代より後にやめる : 12%
  • やめない : 18%
  • その他・答えない : 11%

と言う内容。確かに設問の「やめる」を合わせれば71%になるんだけど、「2030年代よりも後にやめる」と「2030年以前にやめる」では、その意味は大きく違うでしょう。というか、「すぐにやめる」以外は、最短でも今後10年程度の原発稼働は容認しているわけだから、代替エネルギーの目処が立つまでは、原発再稼働も仕方ない(容認)という意図にも取ることが出来る内容です。で、上の結果の順番を少し入れ替えて、こんな風にしたら、

  • やめない : 18%
  • 2030年代より後にやめる : 12%
  • 2030年代にやめる : 22%
  • 2030年以前にやめる : 24%
  • すぐにやめる : 13%
  • その他・答えない : 11%

「原発再稼働容認「7割超える」 朝日新聞世論調査」という見出しでも違和感無いですよね。ここに掲載されている数字は、実際にアンケート調査したものだろうから、その割合は正しいとして、その内容をどう咀嚼するかは読者の判断に任せるべき。でも、この新聞社の場合意図的な誘導を感じる嫌らしい記事だなと思うのが、

「すぐにやめる」は13%、「2030年より前にやめる」は24%、「2030年代にやめる」は22%、「2030年代より後にやめる」は12%で、「やめる」は計71%。「やめない」は18%にとどまった。

という記事の書き方。「すぐにやめる」の13%よりも多い、18%が支持した「やめない」を、わざわざ「とどまった」と結論づけていること。もし対比で言うならば、「やめるの13%よりも多い18%がやめないを支持したが、6割は何らかの代替エネルギーに今後原発を置き換える事を期待している」、というのが客観的な報道では?

その理解が「正しい」のか「正しくないのか」は、その本人がどう理解するかなわけで、それが「情報リテラシー」なるものですよね。逆に、そのリテラシーの隙間を突いてくるのが、こういうマスメディアなんだなと改めて認識した新聞記事でしたね。

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