オフィスメーカーのコクヨが「脱PC」化で社内OA業務の効率化を図るという記事。業務内容にもよるけれど、例えば外回りが主体の営業さんなんかなら、スマートホンとタブレットがあればほとんどの業務は解決するだろうけれど、機器の設計とかデザインをする人ならば、大画面で大容量データが扱えるワークステーションが必要なのかもしれないし。
個人的には「脱PC」という言葉にちょっと引っかかりがあるわけでして、要するにデスクトップだったりノートブックだったりする「パソコン」から他の新しい情報機器に移りましょうと言う事。つまり、個々でいう「PC=Personal Computer」なんですが、でも、もう結構前から「PC=Personal Computing」になってきていると思うんですよね。つまり、「パソコンを持つこと・使うこと」から「パソコンを、どの様に利用するのか」という、一つ高い次元に移ってきているので、「脱PC(Personal Computer)」という言葉は、その本質ではなく表層だけを捉えた言葉なんじゃ無いかと。
人間、慣れた物からはなかなか離れられない訳で、これまで1台で何でも出来た「パソコン」に慣れていると、その機能の一部しか使わないような状況でもパソコンで解決してしまう。それが技術革新で、スマホのように、通信関係に特化したデバイスとか、タブレットのように、簡易的な情報検索とかデータ作成に必要十分な物が登場すると、そう言うデバイスで必要十分な場合も多くあるわけです。いってみれば、世の中に乗用車(=パソコン)しか無い時代の後に、オートバイ(=スマホ)とか軽自動車(=タブレット)が登場することで、TPOに応じた交通システムが発達したのと同じ事が今起こっているのだと。
もう一つ重要な事は、世の中全体が同じような流れになって、同じようなスタイルの人が拡大しないといけないということ。例えばスマホでいろいろなことが出来るようになったけれど、PCの大画面を想定したアプリとかI/Fしか無ければ、以下にスマホといえども利便性が良いとは言えません。ある程度スマホ利用も意識したデザインなりI/Fが登場するためには、やっぱりそれなりの「数」が存在しないとなかなか厳しいわけで、その辺り鶏と卵の話にも似ているけれど、何か上手いタイミングが必要ですよね。今回のコクヨのように、企業として一歩踏み出していくのは、その企業にとっては大変な部分もあるけれど、切っ掛けとしては大きな流れになりそうな気がします。
自分も、e-workで在宅勤務中心の形態で仕事をしているわけですが、そう言う便利なデバイスが登場して効率化されていく面もあるけれど、結局は「会社」という一つの場所に集まって、ある意味監視されて仕事をしていく他社管理の世界を慣れれば楽と思うか、見た目は気楽だけどすべて自己責任・自己管理でちゃんと成績も結果も残さないといけない世界を良しと思うか、結局は人間自身の問題だよなとは思いますね。
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