2012年5月31日

現実を見る勇気

夏の電力不足なんて関電の自演」みたいな事をいった某顧問氏もいたけれど、やっと地元も政府も現実認識をし始めたのか、大飯原発の再稼働に向けて出口が見えてきた感じの記事。でも、電力需給経予想では、これでやって最大値とイーブンになるくらいで、万一の場合の余力を考えたらまだまだ節電か、あるいは追加の原発稼働が必要な状態。大体、大飯原発再稼働で何とか間に合いそうなのは関西電力管内だけで、それ以外の地域はまだまだ供給不足が予想されるわけですからね。

ここのところの再稼働議論を見ていて感じるのは、一般の人というのは「電力供給」というのは自宅のスイッチやコンセントを操作するように、ON/OFFパチンと切り替えられるという感覚で話をしている気がします。例えば今回の大飯原発の再稼働にしても、開始から全出力まで2基の原発で6週間関わるわけで、タイミングによっては一番必要な7月初旬に間に合わないかもしれない。さらに言えば、昨年からずっと酷使してきていて故障も出始める既存施設、特に火力発電所も、整備や改修をする必要もあるでしょうから、本当ならばそれらも一度止めて検査する必要があるはず。そういう部分も含めて、全体としてどのタイミングで、どこの場所で、どんな処置が必要なのか考えなきゃいけないのに、結局大飯原発の是非という話にすり替わっているような気がします。

福島原発の事故の時には、「例え1000年単位の大災害でも想定外は言うな」という話がよく聞かれたけれど、今年の夏の電力供給の厳しさとか、その為に必要な節電計画の厳しさは「想定内」のはず。それなのに、「頑張れば出来る」とか「もっと絞り出せば」みたいな精神論的な話ばかり先行していて、想定外な話ばかり。そりゃぁ、反原発・脱原発を旗印にしている首長が、いきなり「再稼働必要」と言うことは難しいとは思うけれど、でもリーダーに求められる資質って、そう言う現実的な判断でしょ。それを考えたら、もっと早いタイミングで必要なアクションは取れたと思うのに、何か大衆迎合路線で様子を見て、少しずつ軌道修正していくような様子が嫌だな。

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