2012年5月18日

バックボーン

金曜日お馴染み、PCWatch山田祥平氏のコラムから、離島を支えるクラウドの話。最初に「WiMAX内蔵ThinkPadがそれを強力にサポートする。」と書かれているので、何か特別なことをLenovoがやっているのかと思ったら、特にThinkPadである必要性も無いし、WiMAXである必要性も無いような... 確かに、専用の回線を引いてWi-FiのAPをこの巣鴨のお店に設置するよりは、独立して高速通信をサポート出来るWiMAX内蔵のPC一台で十分に事足ります。ただ、WiMAX内蔵PCはThinkPadだけじゃないだろうし、ポケットWi-Fi、モバイルAPなんていう選択肢もあるわけだし。


まぁ、それよりも重要なのは、離島の廃校を利用したビジネスが、都会の拠点に通信機能付き端末が一つあれば可能、ということ。ただ、この記事に詳細は書かれていないけれど、五島列島の福江島の拠点は、どの様にネットワークに接続しているのか、そっちの方が気になります。暫く前に、離島とか山間地域に高速通信網を整備するような事をやっていたけれど、光ケーブルとか、こういう地域にも整備されているんだろうか。同様のビジネスモデルは、全国いろいろな場所で可能だと思うけれど、その場所でのネット接続が出来るかどうかが、昔で言えば幹線道路に繋がる地域道路整備以上に重要になってきていますね。


今の日本では、人口減少と共に今後増えていくだろう「限界集落」をどの様にするかが大きな問題の一つですが、記事のような方法で限界集落を維持することも必要だろうけれど、やはりそこに払うコストも応分に判断して、場合によっては限界集落の放棄であるとか、他の集落との合併などという事も考えないといけませんよね。あと何十年もすれば、「限界集落」どころか、「限界地方都市」みたいなケースだって生まれるかもしれない。


自分が子供の頃は、自宅の周りは畑や田圃ばかりで、多分このまま田舎の状態が続くんだろうなと思っていました。ところが、市街地から郊外へ移動するドーナツ現象のお陰で、宅地は増えるし、しかも県内最大規模のショッピングセンターが近くに出来るしで、もしかしたら後10年くらいしたら、今も残っている畑や田圃すら無くなるかもしれない。逆に、その頃になれば、静かな生活を求めて、人口減少が進んでいる今の市街地に引っ越しをするかもしれないなぁ。そうなると、この限界集落のように新規にネットワークを設置しなくても、すでにそう言う場所には十分にネットワーク化されているだろうから、バックボーンの心配はしなくても良いかもしれませんね。でも、メンテナンスはされなくなるかも。


記事の最後に「携帯電話さえ通じない場所の多いこの集落にも、自治体のe-むらづくり施策によって光ケーブルは届いている。だからこそ、ITは彼らの活動を支える強力なサポーターになるのだ。」と書かれていますが、これって面白い現象ですよね。多分日本だけじゃ無いだろうか、こういうことは。普通は、手間の掛かる光ケーブル設置よりは、基地局一つ作ってお仕舞いの携帯優先となるとおもうんですが。逆に、こういうバックボーンを上手く利用して、その先にいろいろなインフラなりサービスを付加していくことで、地域活性化のツールになるはず。それを上手く利用することで、実は高齢化社会になって、サービスコストがアップするような場合でも、低コストでのサービス提供が可能になり、新しいビジネスが生まれるチャンスにもなると思います。

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