2012年3月7日

リスク

「福島」「原発」というキーワードが揃うと、どうしても感情的なヒステリックな内容が多くなってしまいますが、原発事故の放射能による影響を冷静に伝える、WSJの翻訳記事
調査団では、事故後に放出された放射能のレベルは発がんリスクを計測可能なほど高めるものではないことで概ね意見が一致しており、放射能を浴びた人が、がんを発病するリスクは約0.002%、がんで死亡するリスクは0.001%高まると推定している。
例えば、年間の交通事故による死傷者が1%増えたと聞けば、我々は「交通事故死のリスク高くなった」 と感じるだろうか。と言うか、その数字が持つ意味は、母数の属性にもよりますよね。例えば、高い精度が要求されるロケットの打ち上げなんかだと、0.001%のリスクでも打ち上げ中止になるかもしれないし。こと、原発事故に関して言えば、今気になるのは長期間にわたり低放射線量被爆する場合だと思うんですが、これって世界にある放射線量の高い地域で生活している人は参考にならないのだろうか。

記事にも書かれているけれど、震災から一年が経とうとして、今一番困るのは「風評被害」だと思うんですよね。暫く前にも、原発事故とは殆ど関係ない青森の雪を沖縄に持っていくことに、沖縄で反対が出たけれど(実際に反対したのは、沖縄県外から原発の影響を避けて非難してきた人らしいけれど)、こういう人に対してはある程度強制力を持っても、科学的に問題無ければ受け入れる、理解させると言う事が必要でしょうね。静岡でも、被災地の瓦礫受け入れで一悶着あったけれど、無理に強制することなく、手順を踏んで数値(測定値)を公開して安全性を担保していく手法が、時間はかかるけれど良かったと思います。

人間、良いことよりは悪いことの方が気になるものだし、悪いことはより悪いケースを想像して不安になる物だけど、でもどこかで歯止めというか納得する(出来るでは無く)べきタイミング・レベルは必要だと思うんですよね。その為には、必要な情報を全て公開すると共に、今のメデイアが往往にして行うようなセンセーショナルな報道ではなく、論評とか批評は含まず事実のみを伝える報道。あるいは、相反する内容でも、それらを並記して比較検討できるような報道が必要だと思います。その為にも「政治主導」が必要だけど、今の政治ではなぁ... 担当相も、ちょっと頼りないし...

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