2011年12月27日

長い先端部分

高速鉄道の事故原因もまだ確定しておらず発表もされていない中国の高速鉄道で、時速500kmを超える新型車両が発表されたという記事。写真で見ると、偉い長い先端部分で、先頭車両の半分くらいは、このペリカンのくちばしみたいなもので閉めているんじゃないかと思うくらい。技術移転した、日本の「はやて」をさらに改良して空気抵抗を低減した結果と記事には書かれているけれど、日本の新幹線が持っているあの独特な先端形状は、走行時の空気抵抗低減ではなく、トンネル突入時の微気圧波対策で、トンネルに入るときの「ドン!」という爆発音対策な訳ですよね。中国もトンネルが多いと聞いた記憶があるけれど、あの国がそんなトンネル周辺に気を遣うような事があるとは思えないんだけど(をぃ)。しかも、このペリカンのくちばしのような形状って、日本のJRが700系やN700系などの先端形状をデザインしていた時に消えていったデザインの一つじゃないだろうか。まぁ、「はやて」ベースのCRH380Aのように、外側デザインが700系のカモノハシのくちばし状にしたら、幾ら「独自開発」と言っても今度も叩かれるだろうし、無理矢理こんな形状にしたんだろうか。走行速度だけなら、車両を工夫すればスピードは出ますからね。問題は、そう言うスピードを出しても安定して走行できるか、停止できるか、万一の場合に対処できるか(これが一番中国では心配)、等々なわけで、単に車両のデザインがすべてではないですし。フランスのTGVだって、新幹線よりは空気抵抗は大きそうな先端形状をしながら、最高時速は確か570km位だしているわけですし(試験走行だけど)。

私自身鉄道系や空気力学に詳しいわけではないけれど、トンネル突入時の空気抵抗を考えると、この中国の新型車両は先端部がトンネルの入り口に入ると空気を上方向に圧縮するような気がするんですよね。日本のカモノハシ系の場合は、先端部分がトンネルに入ると、左右・上に空気を押し広げて、素早く後ろに逃がすような印象だけど、これの中国版新幹線は無理矢理トンネル入り口を切り裂いて突入する感じ。確かに平地走行では高速走行可能なんだろうけど、いざ実際の路線に投入されたら、トンネル突入時に何かトラブルとか起こしそうな気がする。まぁ、中国は「面子の国」だから、とにかく急いで失った高速鉄道の盟主という肩書きを取り戻さないといけないんだろうけど...

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