2011年7月22日

ある意味監視社会

なでしこジャパンメンバーで、決勝のPK戦最後のゴールを決めたDF熊谷選手が、大学生との合コンでついはしゃいじゃった様子が、相手学生にTwitterで公開されてしまい騒ぎになった件。19日に帰国して、その日一日あちこち関係各所への挨拶回りをして、さらには一日メディア出演していて、その翌日も朝から各メディアに出演していたのに、その日の夜には合コン参加というのは、やっぱり若いからかなとまずはそっちに感心してしまったけれど(笑)。

自分自身Twitterは好みではないのでやらないし読んでもいないけれど、リアルタイム性は便利。これは先日の震災の時に痛感しました。けれど、検証する時間もなくそのまま流れてしまうことで、どうしても舌足らずというか不十分な情報が公開・拡散される危険もありますよね。まだ、UstreamのようにLiveで映像や音声が流れるのであれば、それは自分の責任だから諦めもつくけれど、他人が観察・会話してその情報を流された場合、その人の印象とか感想が含まれるわけで、それって必ずしも事実を100%正確に伝えるとは限りませんし。

今回の場合、Twitterで公開した大学生があらかじめ熊谷選手の了解を得て公開したのか、その辺の詳細は分からないけれど、これが知らないうちに公開されていたとしたらちょっと怖いですよね。例えば、たまたま入ったレストランに知り合いがいて、全く後ろめたくない状況(例えば仕事でお客様とランチョンミーティングするとか)なのに、その相手が若い女性とかだったりすると、その知り合いが妄想を膨らませて「浮気現場発見なう」とか一言書き込まれたら、それが真実になっちゃったりしますからね。

私も「情報」とか「ネットワーク」と言われる世界に関わる仕事をしているので、常にオープンであることは重要だと思う反面、変なノイズや誤情報が拡散されてそれがあたかも真実のようになってしまうことには強い不満を感じています。少し昔の、まだコミュニケーションツールがBBSとか掲示板とかBlogとか、管理者側でコントロールできるレベルの時代であれば、不満はありつつも何とかなったわけですが、今のようにリアルタイムでどんどんタイムライン上に情報が現れて流れて消えていく時代では、「あの時言った」の「あの時」がすでに消えている情報ですからね。自分がすぐに気がついて、オーバーライド出来ればいいけれど、ちょっとでも見過ごしてしまうと、もうどうしようもないことになってしまう。気がつかないうちに周りから「監視されている社会」でありつつ、常に自分にとって不利益・不正確な情報が流布されていないか「監視する社会」でもあるのだと感じます。ネットワークの利便性に対してのコストではあるけれど、双方トレードオフして結果自分にどれだけのメリットがあるのか、一度定量的に評価してみたいものです。

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