2011年6月29日

特許紛争

中国政府・国有企業が、技術供与で開発した中国版新幹線の国際特許を出したという記事。まぁ、あの国はそういう国だと言うことは昔から分かっていたわけですし(笑)。技術供与の契約では、あくまで中国国内での利用限定されていたと言うことですが、まぁそんなことちゃんと遵守するような所でもないし。その国内限定の範囲が、どこまで派生技術を縛るのか分からないけれど、例えベース技術が既存のものであっても、新しく発明された技術が革新性を持っていれば、特許としては許諾されるわけですから。逆に、日本メーカーが日本以外であらかじめ特許登録など国際戦略を進めていなかったとしたら、それは日本メーカーの落ち度ですしね。ちゃんと特許戦略を立てて進めていなかったメーカーの責任。

21件の特許申請があるとのことですが、どんな部分を申請してるんでしょうね。高速走行時に必要な安定性、静粛性、高速性、日本の新幹線も新しいモデルが登場する度に新しい機能が追加されているのと同じように、彼らだって技術を進める能力は十分ありますから。自分も、一応開発部門にいるから、そういう競争は必要だし、実際結構相手の隙を突いて独自特許を狙うこともありますが、難しいのも事実。まだ高速鉄道が発達していない、ブラジルやロシアあたりでは、結構国際特許でカバーされていなくて、先行取得されてしまうかも。米国当たりでも、もしかしたら通る可能性はあるかもしれないですね。でも、カナダのボンバルディも技術供与しているから、米国では厳しいかも。日本や欧州で通されたら、それこそ面目丸つぶれだけど。

まぁやり方については日本人的には気に入らないところは多々あるけれど、中国に限らずそういう丁々発止で競争するのが世界の常識な以上、常に最悪のケースを想定して最善の対策を準備して実行しなきゃ生き残れません。日本人は、どうして最後の詰めが甘いというか、「ここまで言えば相手も察してくれるだろう」みたいな意識があるけれど、国際ビジネスをする以上は、「言うことは言う、叩くときは叩く」という攻めの姿勢を崩さず、自分にとって有利な条件で落としどころを獲得するしぶとさが無いとね。

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