2011年4月13日

物流こそ生命線

今回の災害では、被災地域の広さと被害の甚大さで、先の阪神大震災と比べてもなかなか被災地に物資が届かず問題になりました。その時思っていたので、物流にプロである宅配業者に全件委任して、被災地での物流網構築を委託したらどうかということ。勿論、道路も寸断されているような状態で、まだ危険も多い場所に、いきなり民間業者を投入するわけにはいかないから、ある程度自衛隊等で災害復旧が完了したような場所優先でということですが。で、この記事を読むと、それに近いことが実際に行われていたようですね。

震災後暫くして、郵便屋さんが被災している人達に郵便を配達する様子をNHKだったかな、放送していたけれど、同じくらい宅配業者(JPもその一つなわけですが)も、現地で復旧を急いでいたんでしょうね。とは言っても、頼みの列車輸送はなかなか回復しないし、トラック輸送にしてもガソリン不足の状態だったから、一週間程度で何とか流通網を開始するというのは並大抵の努力じゃ出来ないと思うと頭が下がります。災害の時には、ガス、水道、電気のインフラ復旧がまず頭に浮かぶけれど、今ではその中に物流も入れないといけないかも。今ではコンビニ何て言うのは生活の言うまでもなく、スーパーにしても大手の流通網の中に組み込まれていて、上流から配送が無いと営業できない状態ですからね。よほど地元資本のみで経営されていて、商品調達も地元優先と言うお店ならまだ良いかもしれないけれど、それだって今回の様に地元の産業が壊滅的に止まってしまった状態では何も出来なくなるわけだし。

10年ちょっと位前までは、アメリカの宅配は凄いなと思っていましたが、その頃くらいからでしょうか、日本の宅配サービスもどんどん改善されていて、今では多分世界で一番正確、高品質、高信頼性のサービスじゃないでしょうか。単に物流だけでなく、その日の夕方までに発注すれば、翌日の午前中には配送されるような、クイックデリバリーシステムもオンラインショップなんかでは普通に使われているし。

よく日本の製品は、高品質・多機能・高信頼性だけど、その分価格も高めだし余計な部分も多いと最近言われます。それは事実だと思うし、最近では機能や目的を絞ったシンプルで低価格な製品も多く出ています。ただ、何かあったときに、本来の機能が失われても、残った部分で補完できると言うのも、日本製品の良さじゃないかと。「製品」を広義の意味で考えれば、今回の宅配事業を含む物流システムの復旧にしても、そういう「冗長性」が生きたように思います。日常的には、必要性のない無駄な部分かもしれないけれど、いざというときに頼りになるそういった部分こそが、日本製品の肝だと思うから、これからもそれだけは譲れない部分として、拘って欲しいところです。例えそれが「ガラパゴス」であってもね。

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