2011年1月5日

紐付き交付金

国から地方に与えられる様々な補助金や交付金は、言ってみれば中央政府支持のために地方首長に提供される「軍資金」みたいな物だとは理解しているものの、こうあからさまに言っていいんだろうか。「地方分権」って、そういう中央からの縛りから離脱する物だと思っていたけれど、逆に利用する態度ってある意味以前の自民党主導政府よりも露骨な気がする。

例えば契約主の企業が、様々な下請け会社に業務を発注するのは、ある意味中央と地方の関係にも似ている。それまでの実績とかビジネスの方向性で、契約料は増えたり減ったりするわけで、その中には契約主に依存する場合も多々あります。例えば「ファミリー企業」とか「グループ企業」とか。契約主に不満があっても、ある程度我慢することで、そこからの有利な契約融資案件何かを獲得しようとするわけです。で、そんな「主従関係」を利用して、「今回はこれまで以上の大型案件の契約を結びます。ですから、我が社に忠誠を誓って下さい。」と言われたとしたら...

そりゃあ、地方にしたって、お上からお金をもらっている以上ある程度そういう上下関係・主従関係が存在する事は分かっているけれど、それって仮にも一国の首相が口に出して言うべきことでは無いだろうし、口から出てしまえば逆に反発しか招かないと思うんですけどね。でも、そこはやっぱり「仮免」の悲しさ、つい本音を言ってしまうんだろうな。しかし、この政府、お金を使う話はどんどん出てくるけれど、お金を稼ぐ話、節約する話って余り聞きませんね。「事業仕分け」も、確かに無駄な部分を「あぶり出す」事は出来たかもしれないけれど、結局あぶり出しただけでまた隠れてしまった部分も多いし、大物を狙った割には、あぶり出されたのは小物ばかりだし...

今の日本では、いろいろな問題が存在しているとは思うけれど、一番重要なことは「景気対策」でしょう。そこで必要な事は、これまでのような補助金とか交付金のような形の対策ではなくて、もっと根本的な部分での変換が必要だと思うんですよね。その理由は、日本を取り巻く環境が以前とは逆転しているから。一番端的なところでは、以前は円安前提の輸出主導型経済システムだったけれど、今のように円高になりかつ世界のどの国も厳しい中数少ないそれなりに耐えている日本という立場と言うことを考えれば、もっと外か中に持ち込むビジネスや、外で戦うビジネスモデルを考える時じゃないだろうか。

すでに海外企業の買収とかを進めている国内企業の話も最近よく聞きますし、持ち込む話では海外の人材を国内で活躍してもらうように、ビザとか滞在期間の優遇なんて言うこともどうだろうか。デフレが問題になってはいるけれど、「良い物が安く手に入る」事は決して悪いことでは無いはず。USにしても日本にしても、"CHANGE"で期待されていたことは、そう言ったことだったはずだけど、少なくとも日本での"CHANGE"は、システムの変革ではなく、システム運用者が変わっただけで、システムの中身はそのまま続いているという体たらく。でも、衰退が言われる中小企業なんかでも、結局生き残り元気がある会社は、そういう親会社依存体質から独自技術を生かして脱皮しているところなんですよね。勿論、簡単ではないし、何処でも出来るという話ではないけれど、そういう苦しさの中から始めて次の道が見えてくる、生まれてくるんじゃないだろうか。生物の進化だって、厳しい環境に打ち勝つために新しい形態・機能を獲得するわけだし。

円高だからチャンス、デフレだからチャンス、と言うよりも、生きている限り常にチャンスは転がっている、というちょっと前向きな意識を、今年はこれまでよりもちょっと強く持ちたいですね。

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