2010年9月25日

恫喝の国 (4)

どこかで落としどころを見つけないといけないとはいえ、日本にとっては何も得るものがない、外見的には完全な敗北ですよね。これを機会に、ますます漁船は尖閣諸島に押し寄せるだろうし、また何かあれば一気に中国の世論は燃え上がるだろうし。せめて、フジタの社員解放があってから、とか日本にも何らかの「成果」が見えてからでないとねぇ。早速味を占めて、賠償だ謝罪だという声が上がってきている見たいですけど、これって以前にも見たような...

同じ頃、菅首相は国連でお得意の「最小不幸社会」と言っていたようですけど、これが「最小不幸」なら止めて欲しいですよね。「不幸」の定義はなんなんでしょう。ひたすら波風たてないように生きるだけなんて、なんてつまらない事だろうと思ってしまう。しかも、汚いことに、今回の責任は全て地検に任せて、政府は我関せずという態度をとっていること。「超法規的措置」と言うと、自分たちの世代だとダッカ空港の事件が思い出されるけれど、個人的にはあの判断は間違いだと思うものの、でも国の責任者が自分で決定したことならば、それは仕方ないかもと言う諦めも。でも、自分は知らない、向こうが決めたことと知らんぷりを決め込むという態度は、ちょっとねえ。少なくとも、釈放判断は地検におっかぶせるにしても、国としては今後も領土問題に関して厳しい態度で臨むとか、レアアースの問題にしても、WTO提訴をにおわすとか、それなりの態度を示さないと間違ったメッセージを送るだけですよね。ほんと、存在感の無いすかしっぺみたいな内閣だなと実感してしまった。

ところで、食糧自給に関しては、半分近くも自給できるのにあれだけ大問題と言うのに、97%も1つの国からの輸入に頼るレアアースに関しては、余りに静かですよね。最初レアアース禁輸のニュースを聞いたときには、昔のオイルショックの事を思い出したけれど、あの頃と比べれば落ち着いた感じがするのは、出土が中国1カ国に限られている分、こういうこともあるだろうと想定済みだったからか。また、石油と違って、回収再利用可能なものでもあるし。オイルショックでは、日本の自動車業界は低燃費車を開発し、底からさらにハイブリッドに進もうとしているけれど、バイオエネルギーでは後れをとったんですよね。レアアースは石油以上に代用品が難しいとは思うけれど、これを機会に再利用・リサイクルシステムを開発すればどうだろう。また、レアアースを使わない磁石なんかも開発されているというし。今回の件で唯一何か得るものがあるとすれば、こういう逆境から日本人がまたとんでもないものを作り出す、という期待感だけかな。

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